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【潜入取材】藤井清竹くん7歳が受ける“ネイマールやロナウジーニョらと同じ英才教育”… ブラジル名門のスゴい育成システム

posted2021/05/05 17:03

 
【潜入取材】藤井清竹くん7歳が受ける“ネイマールやロナウジーニョらと同じ英才教育”… ブラジル名門のスゴい育成システム<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama/Hiroaki Sawada/Naoya Sanuki

藤井清竹くん(中)はネイマール(左)やロナウジーニョと同じ“英才教育”を受けることになる

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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Takuya Sugiyama/Hiroaki Sawada/Naoya Sanuki

ブラジル柔道男子代表監督を務める日本人女性の藤井裕子さんと夫・陽樹さんの奮闘を以前配信したが、物語には続きがあった。7歳の長男である清竹君が、なんとブラジルフットボールの名門フラメンゴに日本人として初加入したという。久保建英とのエピソードや初練習の“潜入取材”など、全3回にわたってレポートする(#1#3はこちら)

 ここで、ブラジルのプロ・フットボールクラブの組織について説明しておこう。

 一定以上の規模のクラブは、ソシオ(会員)が利用する総合スポーツ部門とプロスポーツ部門を持つ。前者では、フットボール、7人制フットボール、フットサル、水泳、柔道、空手、体操、卓球、陸上、バスケット、バレーボール、カポエイラなどの種目をプロコーチの指導を受けながら楽しむことができ、たいてい年齢別、性別に複数のチームがある。後者は、フットボール、フットサル、バスケットボール、バレーボールなどのプロチームとその下部組織(アカデミー)を持つ。

 フットボールの下部組織は、トップチームでプレーする選手を育成するための機関だ。トップチームに直結するカテゴリーとして、通常、U-15、U-17、U-20があり、日々、練習を積みながら年齢別の州レベル、国レベルの大会に参加する。

ネイマールは常に2、3歳上のカテゴリだった

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 ただし、優秀な選手は飛び級することが多い。

 例えば、ブラジル代表のエース、ネイマール(パリ・サンジェルマン)はサントスの下部組織で常に年齢より2、3歳上のカテゴリーに在籍し、しかも主力として活躍した。17歳1カ月でトップチームからデビューし、すぐにレギュラー。以後、二度と下部組織には戻らなかった。

 かつてはBチームやU-23といったカテゴリーがあったが、近年はほとんどのクラブが廃止している。それゆえ、20歳までにトップチームへ昇格できなければ、他クラブへ移籍するかプロ選手になることを諦めるかの二択となることが多い。

 U-15の下に、通常、U-6からU-13まで1歳区切りのチームがある。これらのチームでは、当初は主としてフットサルをプレーし、徐々にフットボールの練習を増やしていく。ブラジルでは、フットボール選手を育てるためのベースとしてフットサルが位置づけられているためだ。

サントスの関係者から聞いた若年層の育成法

 以前、サントスの下部組織を取材した際、指導者から「プロ選手になるための理想的な道筋は、5歳前後からストリートでボールを蹴り始め、6歳頃までにフットサルを始め、10歳くらいからフットサルとフットボールを掛け持ちで練習し、14歳からはフットボールに専念すること」と聞いた。その際、このような説明も受けた。

【次ページ】 ジーコ、ロナウジーニョ、ネイマールが通った道

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