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混戦予想の皐月賞で“エフフォーリア1強”が実現した理由 ソダシとともに「無敗の二冠獲り」へ視界良好?
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byKyodo News
posted2021/04/19 11:42
無敗で皐月賞を制したエフフォーリア。昨年のコントレイルに続き、無敗三冠馬への道がつながった
相手が強くなるほど2着との着差をひろげている
エフフォーリアにとってもこれがGI初勝利だったのだが、驚くべきは、新馬、百日草特別、共同通信杯、そして皐月賞と、レースを重ねて相手が強くなるほど、2着との着差をひろげていることだ。
鹿戸雄一調教師によると、以前は体質的にも精神的にも弱いところがあったのだが、一戦ごとに丈夫になっている、とのこと。それがパフォーマンスの向上に直結しているのだろう。
横山の言う「もっと大きなレース」はもちろん日本ダービーのことだ。血統や走法から、小回りの中山より、広い東京のほうがいいのは間違いない。東京で行われた百日草特別と共同通信杯を完勝した実績も、それを裏打ちしている。
ソダシのオークスと、このエフフォーリアのダービーで、昨年同様、2週連続「無敗の二冠獲り」がなされるか、期待が高まる。
ダノンザキッドがまさかの15着に
1番人気に支持されたダノンザキッドは、道中、前2走のように行きたがることなく、いい感じで走っているように見えたのだが、直線で馬群に沈み、まさかの15着に敗れた。レース前から発汗が激しく、消耗してしまったようだ。昨秋の東京スポーツ杯2歳ステークス、ホープフルステークス、前走の弥生賞、そして今回と、関東圏への長距離輸送を経た競馬がつづき、特にメンタル面にストレスがかかっていたのかもしれない。立て直して、また本来の走りを見せてほしい。
2着のタイトルホルダーは、前走の弥生賞を横山の手綱で制した馬だ。筆者がこの連載で1月末に書いた「今年の全GI予想」で菊花賞の勝ち馬として選んだ馬でもある。完成されるのはまだ先だと思われるのに、現時点でこれだけのパフォーマンスを発揮しているのだから、楽しみがひろがる。
関東馬のワンツーフィニッシュは、1997年のサニーブライアン、シルクライトニング以来24年ぶりのことだ。
あの年も「混戦」と言われていたのだが、終わってみれば、サニーブライアンがダービーも勝って二冠馬となった。
今年も「終わってみれば一強」という皐月賞であった。