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混戦予想の皐月賞で“エフフォーリア1強”が実現した理由 ソダシとともに「無敗の二冠獲り」へ視界良好? 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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photograph byKyodo News

posted2021/04/19 11:42

混戦予想の皐月賞で“エフフォーリア1強”が実現した理由 ソダシとともに「無敗の二冠獲り」へ視界良好?<Number Web> photograph by Kyodo News

無敗で皐月賞を制したエフフォーリア。昨年のコントレイルに続き、無敗三冠馬への道がつながった

直線入口で狭いスペースに割って入ったエフフォーリア

 前半1000m通過は1分0秒3。先頭から最後尾まで10馬身ほどしかないので、馬場状態を考慮しても、ややスローペースか。

 エフフォーリアは、先頭から2馬身ほど後ろの内につけて3、4コーナーを回った。外から他馬が押し寄せ、それらが雁行状の壁になってエフフォーリアの前に立ちはだかるかに見えた。

 それでも横山は慌てず、前方に隙間ができるのを待っている。

 4コーナー出口から直線入口にかけて、前にいたワールドリバイバルの手応えが悪くなって失速し、外のタイトルホルダーがさらに外に張り出しながら伸びたことにより、2頭の間にスペースができた。

 横山は迷わずそこにエフフォーリアの鼻先をねじ込み、スパートをかけた。

「進路をどこに取ろうかと思ったのですが、4コーナーでは狭いところを、よく割ってくれました」

 エフフォーリアは瞬時に2頭の間から抜け出し、1完歩ごとに後続との差をひろげて行く。

 横山の右ステッキに応えて力強く末脚を伸ばしたエフフォーリアは、2着のタイトルホルダーに3馬身差をつけ、先頭でゴールを駆け抜けた。

武、福永に次ぐ3組目の皐月賞騎手父子制覇

「最高です。デビューから乗せていただいている馬で、ここまで順調に来て、何とかいい結果を出したいと思っていました。無敗でGIを獲ることができて嬉しいです。次はもっと大きなレースになると思いますが、ぼく自身も、もっと成長して挑みたいです」

 そう喜びを語ったデビュー5年目、22歳の横山にとって、これが嬉しいGI初勝利であった。父の横山典弘は、横山が生まれた1998年にセイウンスカイで皐月賞を勝っており、武邦彦・豊、福永洋一・祐一に次ぐ、史上3組目の皐月賞騎手父子制覇となった。祖父の横山富雄は桜花賞、オークスなどを制しているので、父子3代でクラシック制覇を達成したことになる。

 3、4コーナーで馬場のいい外に進路を取ることもできたはずだが、内で動かず、抜け出すタイミングをはかっていた。デビューからの4戦すべてに騎乗し、この馬の強さは誰よりもわかっている。いつでも、どこからでもスパートできるという自信が伝わってくる好騎乗だった。

【次ページ】 相手が強くなるほど2着との着差をひろげている

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