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「無難なプレーでは…」ラプターズ渡邊雄太に変化が なぜ4月はダンク急増、3Pも積極的に打つようになったのか
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byUSA TODAY Sports/Reuters/AFLO
posted2021/04/13 11:00
オフェンス力を課題とされる渡邊。4月に入ってゴール下の制限区域内のシュートは14/16、3Pシュートを狙う姿勢も目立っている
3ポイントシュートのほかに、渡邊はもうひとつ、乗り越えなくてはいけない課題に取り組んでいた。ゴール近くの得点力だ。
「僕にはまだリングまわりのフィニッシュ力がないんで、その部分は重点的に練習した」と語る。
その面でも、最近になって練習の成果を少しずつ試合で出せるようになってきた。
たとえば4月2日のウォリアーズ戦では、渡邊自身が覚えている限りではNBAの試合中に初めて『アンドワン』(ファウルされながらシュートを決めるプレー)を決めることができた。4月6日のレイカーズ戦では、トランジションでユーロステップからダンクを決めたりもした。思い切りの良さを表すようにダンクの数も増えていて、今シーズンのダンク合計7本のうち5本が4月に入ってからの6試合で決めたもの。また、同じ6試合ではゴール下の制限区域内のシュートを16本打ち、14本決めているのだ。
そして、それに引っ張られるように、3ポイントシュートも思い切りよく打つようになった。4月8日のブルズ戦で約1カ月ぶりに3ポイントシュートを決めた後、4月10日のキャブズ戦で2本打って2本、4月11日のニックス戦では4本中2本を決めている。
ベンチ登録50試合に到達
11日のニックス戦は、渡邊にとってひとつの節目となった試合だった。今季、ベンチ登録された50試合目だったのだ。当初、今シーズンの2ウェイ契約の試合登録上限とされていた試合数だ。コロナ禍でルール変更となり、2ウェイ契約のままでプレイオフを含めてシーズン最後まで試合に出ることができるようになったため、本契約に切り替える必要はなくなったが、契約は変わらなくても、51試合目からはサラリー面ではNBA本契約と同じだけの額をもらえる。
NBA3年目にして、契約面で次の段階に入った渡邊。コート上でも、殻を破り、ひとつ上の段階に進もうとしている。