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大学野球で異例の「3番・ピッチャー」…日体大に現れた期待の左腕、打者では吉田正尚クラスに?【脚力もプロ級】
text by
西尾典文Norifumi Nishio
photograph byPABB-lab
posted2021/04/13 11:01
豪快なフルスイングをする“背番号1”。大学野球界にも二刀流の波が訪れているようだ(連続写真は記事内でご覧ください)
立ち上がりは先頭打者にいきなりストレートの四球を与えるなど、制球に苦しんだものの、5回までわずか内野安打1本という見事なピッチングを披露。6回に味方のエラーから2点を失ったことで敗戦投手となったものの、7回を自責点1でまとめ、しっかり試合を作っている。
最速145キロをマークしたストレートも勢いがあったが、それ以上に素晴らしかったのが変化球だ。スライダーはスピードと変化にバリエーションがあり、打者の手元で生き物のように鋭く変化し、カウント球としても勝負球としても使うことができる。
この日はあまり多く投げなかったが、チェンジアップのブレーキも申し分ない。きれいに肘が高く上がり、スムーズに上から腕を振り下ろすことができるため、173cmという上背の無さも全く気にならない。フォームは違うものの、投手としてのイメージは現在、プロ野球で売り出し中の宮城大弥(オリックス)に重なるものがあった。
将来は吉田正尚クラスに?
バッティングに関してもトップの形を作った時の力感が並の選手ではなく、全身を使ったフルスイングは迫力十分。結果は4打席全て外野フライでノーヒットに終わったものの、一歩間違えばスタンドインしそうな当たりばかりだった。上背は無くても強打者タイプであり、大げさではなく吉田正尚(オリックス)クラスの打者になれる可能性を秘めている。
また、大学1年秋に参加した大学日本代表候補合宿では、50メートル走のタイムで昨年のドラフトで話題を集めた並木秀尊(獨協大→ヤクルト)、五十幡亮汰(中央大→日本ハム)に次ぐ、全体で3番目のタイムをマーク。脚力に関してもプロの上位レベルであることは間違いないだろう。