球体とリズムBACK NUMBER
“東京五輪の秘密兵器候補”がスイスで急上昇中 20歳・鈴木冬一「自分もあのレベルに…」【古巣ベルマーレ愛も】
posted2021/04/12 11:01
text by
井川洋一Yoichi Igawa
photograph by
Getty Images
「こっちに来る前に抱いていた不安みたいなものは、今は一切ないですね。もっと難しいかなと思ってたんですけど、同世代の若い選手が多いこともあって、意外とスムーズに適応できました」
画面越しでもありありとわかるほど、現在の鈴木冬一は生き生きしている。今年1月に湘南ベルマーレからスイスのローザンヌ・スポールへ完全移籍した20歳のレフティーは、初めての海外での生活を大いに楽しんでいるようだ。大阪出身者らしく、最初の自己紹介では、新しい仲間を笑わせたりしたのだろうか。
「自分もそういうのあるんかなと思ってて、ちょっと準備してたんですけど、最初の練習前のミーティングで監督がさらっと『今日からトイチが入るから』って。それで終わりでしたね(笑)。
でもやっぱり外国の人たちは、自分から入り込めば、受け入れてくれることが多いです。おっきい選手も多くて、小さい僕をいじってくるんです。スキンシップというか、小突きあったり、じゃれあったりしていますね。あとスイスは、けっこう日本に近いところがあって。時間やルールをきっちり守るし、真面目な人も多い。そこもよかったのかなと思います」
通訳がいない中でコミュニケーションはどうしている?
ローザンヌはフランス語圏で、鈴木に通訳はいない。コミュニケーションはどんなふうに?
「監督もチームメイトも、僕には英語で話しかけてきてくれます。戦術の説明とかも。英語はなんとなく理解できるんですが、自分の言葉で話すのはまだ難しい。今はとにかく単語を覚えて、人が言っているのを真似して、あとで意味を聞いたり。それから、今は携帯(スマートフォン)という便利なものがあるんで、しっかり活用しています(笑)。フランス語はもっと難しいですけど、少しずつ勉強しています」