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アズーリ3連勝でEUROに弾み<優勝ダークホースに> W杯予選敗退で「世界の破滅」から4年、まだ傷は残るが…
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byGetty Images
posted2021/04/06 11:02
悪夢のW杯予選敗退から4年。アズーリは再生の一歩をしるした
インモービレが代表1年4カ月ぶりのゴール
14分に、4-3-3の右ウイングで先発したFWドメニコ・ベラルディ(サッスオーロ)が相手GKのニアサイドを射抜く技ありの一撃で先制。39分には、自陣からカウンターでFWインモービレが豪快に追加点を突き刺した。
クラブでの活躍とは裏腹に代表ではゴールを奪えずに苦しんでいたインモービレだが、1年4カ月ぶりのゴールで本人にもチームにも弾みがついたのは吉兆だろう。
敵地ソフィアに乗り込んだ2戦目のブルガリア戦では、初戦から先発6人が入れ替わり、所属クラブのインテルでほとんど出場機会のないMFステファノ・センシがレジスタとしてサプライズ起用された。
実戦感覚不足のセンシを守備陣がフォローしながら、43分にFWベロッティが先制のPKを決めると、センシに代わって途中出場したMFマヌエル・ロカテッリ(サッスオーロ)が終盤83分に貴重な追加点を挙げた。中央から左に展開して相手守備を崩す流れから決めた見事なコントロールショットは、若武者ロカテッリのA代表初ゴールだった。
グループ最弱リトアニアに手こずった
アウェーでの連戦となる3戦目の相手は、FIFAランク129位で予選グループでは最弱と見られたリトアニアだった。しかし、アズーリは慣れない人工芝グラウンドに手こずり、前半から自陣に引いて待つ相手を攻めあぐねた。
だが、後半開始とともに投入されたMFセンシとFWフェデリコ・キエーザ(ユベントス)が起爆剤となり、ようやく攻撃が活性化。ブルガリア戦の汚名返上とばかりにMFセンシが先制ゴールを上げたあとは、リトアニアGKの健闘もあってなかなか追加点を奪えなかったが、後半アディショナルタイムに得たPKをインモービレが冷静に決めて、3戦連続「2-0」で3連勝を飾った。
難しいコンディションの予選序盤をしっかり勝ちきったことで緊張もややほぐれたか、マンチーニ監督はリトアニア戦後に率直な感想を述べた。
「(短期間での連戦とクラブでの蓄積疲労で)つねに選手たちがベストパフォーマンスを出せるとは思っていない。多くの得点機会は作ったが、一方で失点するリスクも犯した。閉じこもった相手には早めに状況を打開しないと厄介なことになりやすい。この予選ではとにかく白星という結果が重要になる。この後も全部2-0で勝てれば文句なしなんだがな」