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アズーリ3連勝でEUROに弾み<優勝ダークホースに> W杯予選敗退で「世界の破滅」から4年、まだ傷は残るが…  

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2021/04/06 11:02

アズーリ3連勝でEUROに弾み<優勝ダークホースに> W杯予選敗退で「世界の破滅」から4年、まだ傷は残るが…  <Number Web> photograph by Getty Images

悪夢のW杯予選敗退から4年。アズーリは再生の一歩をしるした

スイスとはW杯予選、ユーロと真剣勝負が控えている

 全5カ国で競われている予選グループCは、事実上隣国スイス(FIFAランク16位)とのマッチレースだ。

 欧州予選では2位にもプレーオフのチャンスがあるが、イタリアの頭には1位通過しかない。スイスとの直接対決は予選が再開する9月だ。

 ただし、初夏にもイタリアにはスイスとの真剣勝負が控えている。

 6月11日に開幕するEURO2020、グループリーグ2戦目にぶつかる相手もスイスなのだ。指揮官マンチーニは必勝を期したW杯3連戦に"EURO本戦への招集メンバー選考"という裏タスクも課していた。

 そもそも不動の主戦レジスタであるMFジョルジーニョ(チェルシー)の招集を回避したのは、EUROに向けて彼のリザーブの目星をつけておきたかったから。サッスオーロで成長著しい23歳のロカテッリは十分な及第点を得た。

 ほぼ確定しているMF枠の残り1つを争うのは、MFセンシとMFマッテオ・ペッシーナ(アタランタ)と見られている。

 2月にイタリア・パスポートを取得したDFラファエウ・トロイ(アタランタ)は、代表デビューとなったリトアニア戦に3バックの右で先発し、期待通りの堅牢ぶりで無失点に貢献。滑り込みを狙っている。

 FWフェデリコ・キエーザ(ユベントス)は、ここ最近クラブで披露してきた躍動ぶりがまったく鳴りを潜め、高レベルのパフォーマンス安定にまだ難がある課題を示したが、FWロレンツォ・インシーニェ(ナポリ)とともにEURO本大会招集は堅いだろう。

マンチーニ「1-0より5-3のゲームを」

「もし一発勝負で勝たねばならないときでも、私は1-0より5-3のゲームをやりたい。リードしても守りに入らず、点を取りに行け」

 閃きとゴールの美を尊ぶ名ストライカーだったマンチーニ監督は、アズーリに新しい風を吹き込んだ。

「私はEUROで優勝したいんだ」

 就任直後にぶち上げた壮大な目標へのチャレンジは、もうすぐにやってくる。大陸王者を決める戦いにもW杯予選同様、カルチョの国の汚名返上が懸かっている。

 EURO2020で、カタールW杯で、イタリアは優勝候補たりえるでしょうか?

 予選3連勝のマンチーニに代表無敗記録で並ばれた先達リッピへ、『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙はあくまで謙虚に問いかけた。

 名将は、驚くほど豪気に後輩マンチーニの背中を押す。

「何を言っているんだ! メジャー大会に出場する以上、イタリアが優勝候補でなかったことなどあるものか」

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