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オリックスのスカウト長は“元ドラ11”の苦労人…高校生の暴投にも「楽しみでしかたがない」、NPB初の女性スカウトも抜擢! 

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米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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posted2021/04/03 11:01

オリックスのスカウト長は“元ドラ11”の苦労人…高校生の暴投にも「楽しみでしかたがない」、NPB初の女性スカウトも抜擢!<Number Web> photograph by KYODO

3失点と苦しんだ大阪桐蔭の“右のエース”関戸。それを見た牧田氏は意外な言葉を残していた

 そもそも、選手本人がプロ入りを諦めない限り、牧田のリストから消えることはない。「仮想限界を作らないでほしい」と牧田は言う。

「自分の中で限界を作った時点で、伸びしろがなくなってしまう。なんとなく『無理かな』と思ってしまったら、そこで終わる。周りから何を言われようと、『いや、オレはプロに行くんだ』と、そういう思いでがむしゃらにやっている子は、可能性がある。1%を100%にできる人生にしてもらいたい。自分で0%にしてほしくないな、という思いでいつも視察をさせてもらっています」

 それは、プロ野球選手になるという夢を追い続け、27歳でプロ入りした自身の経験からくる思いだ。

ドラフト11位でオリックス入り

 高卒でプロに行きたかったけれど、行けなかった。大学から行けると思っていたけれど、行けなかった。社会人2年目で今度こそと思ったのに、また行けなかった。

「でもこの世界に来たくて、バカみたいにがむしゃらに、日本通運で都市対抗に出て、(スカウトは)『オレを見てるんだ』という思いでやって、27歳の年にドラフト11位という、ドラフト外のようなかたちで僕はこの世界に入って、7年間現役をやらせてもらった。

 高校、大学から入った人や、ドラフト1、2位で入った人は、どこの球団からも欲しいと言われて指名されている。でも全員がそうじゃないし、来たくても来れない人もいる。最終的に僕はプロの世界に入れて、なおかつこの仕事をさせてもらっているからこそ、“全員を”見なきゃと。そういう思いで、中学、高校時代に控えだった選手を指名したり、都市対抗で1イニングも投げていない選手を指名したり。

 今このポストで仕事をさせてもらっていて、すべては球団への恩返しという思いがありますが、それと同時に、自分がこの仕事をしている以上は、全員プロ野球選手にしたろうと思って、スカウティングをしています。そのために360度、いろんな角度から、1人1人を見てあげたいなという思いでいます」

 昨秋のドラフトでも、28歳の阿部翔太(ドラフト6巡目)や、BCリーグ・福島レッドホープスで昨年は主に途中出場だった古長拓(育成ドラフト6巡目)を指名した。

 牧田のチャレンジは、選手のスカウトだけにとどまらない。

【次ページ】 NPB初の女性スカウトを抜擢

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