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「手堅すぎる、交代が遅い」と言われ続けた森保ジャパン 大勝した2連戦の裏に見えた“明確な変化”とは?
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戸塚啓Kei Totsuka
photograph byJMPA
posted2021/03/31 15:45

14-0で大勝したモンゴル戦。2ケタ得点は97年6月のマカオ戦以来で、1試合14点は歴代2位である
モンゴル戦後にはこう話した。
「これからW杯予選を戦っていくうえで、色々な想定外のアクシデントが起こる可能性がある。その時に戦力を落とさず、同じコンセプトでプレーできる選手が増えたと思う」
得点を重ねても止まなかった「まだまだ!」
今回の2試合が充実したものとなった背景には、昨年11月のメキシコ戦がある。0対2で敗れた試合後、キャプテンの吉田は「メキシコはW杯で(第2シードに相当する)ポット2に入り得るチームで、ここに勝たないとグループリーグを突破できない。こういう相手に勝っていくことを意識した戦いを、次の3月では詰めていかないといけない」と話していた。
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韓国はメキシコに劣る。モンゴルは韓国よりもさらに格が落ちる。だからといって、相手に合わせたサッカーをしていたら進歩はない。メキシコ戦をスタンダードにしているからこそ、韓国を上回る強度でデュエルを制していったのだ。FIFAランキングが3ケタのモンゴルを相手にしても、攻守の切り替えで相手を上回ったのだ。モンゴル相手に何度ゴールネット揺らしても、ピッチ上では「まだまだ!」という声が飛び交っていた。
次の活動となる6月は、W杯2次予選の残り3試合を消化する予定だ。初戦に勝利すれば、その時点で最終予選進出が決定する。
最終予選は9月に開幕し、来年3月に終了する予定だ。当面はアジアの戦いが続く。それでも、レベルアップを実現していくために──今回のモンゴル戦をプレーモデルとして、自分たちのスタンダードを意識しながら戦っていくのだ。
