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センバツでなぜ「異例のサプライズ先発」続く? “2戦連続”の東海大相模監督は「夏まで実戦練習ができなかったから」
text by
中村計Kei Nakamura
photograph byKYODO
posted2021/03/26 16:35
鳥取城北戦に先発した東海大相模・求航太郎。4回無失点に抑えた
「(先発を告げられて)自分がやってやる、という気持ちでした。沖縄から送り出してくれた親に、こういう舞台で恩返ししたいと思っていたので嬉しいです」
求は「もっとすごい選手たちと野球をしたい」との思いから東海大相模を選んだものの、最初の頃は、こんな苦労があったと話す。
「方言で、困りました。『私』とか『僕』のことを、あっちでは『わん』っていうんですけど、ぜんぜん伝わらなかった」
「夏まで実戦練習ができなかったから」
両チームの采配は「奇策」にも映ったが、門馬によれば、コロナ禍におけるこんな特殊なチーム事情もあったと言う。
「昨年はコロナで夏までほとんど実戦練習ができなかった。秋も何とかやりくりしているような状態で、新しい選手を発見する機会がなかったんです」
この冬から春にかけて、その機会をようやく得られるようになり、結果、急激な成長を見せる選手が増えてきたのだという。
門馬は最後にこんなことも明かした。
「武井(京太郎)という左ピッチャーがいるんですけど、今日、その子を先発させる気持ちもあったんです」
武井もやはり秋はメンバー外だった投手である。
東海大相模の「サプライズ起用」は、まだ終わらない。