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【内田篤人33歳に】鹿島との別れ際に言った「ありがとうございます」後輩を気遣った試合直前の「ごめんね」
 

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2021/03/27 11:02

【内田篤人33歳に】鹿島との別れ際に言った「ありがとうございます」後輩を気遣った試合直前の「ごめんね」<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

33歳となった内田篤人。引退後は各メディアに出演するだけでなく、JFAが新設したロールモデルコーチとしてU-19日本代表の活動をサポートしている

<名言5>
いろいろと背負わせてごめんね。
(内田篤人/NumberWeb 2020年9月23日配信)

https://number.bunshun.jp/articles/-/845135

◇解説◇

 現役引退を決めた内田は、その思いをすぐに周囲に伝えようとはしなかった。

 鹿島アントラーズで主将を任されている三竿健斗がその知らせを聞いたのは、ラストマッチとなったガンバ大阪戦を控えたチームミーティングの時。選手全員の前で内田の口から報告したタイミングだった。内田は「健斗にはあえて言わなかった。感情が表に出るキャプテンシー、責任感が強い選手なので、先に言うとちょっと調子が狂うなと思った」という。

 試合前のロッカールーム。ウォーミングアップを終えて控室に戻った三竿のもとに、内田がやってきた。

「いろいろと背負わせてごめんね」

 高卒ルーキーとして常勝軍団の一員となり、日本代表でもすぐに主軸として国を背負った。世界を経験して古巣へ復帰したときには、これまでとは少し違う、闘う姿も見え隠れした。大きなプレッシャーと戦ってきたからこそ、その重みを誰よりも知っている。それを主将として引き継ごうとしている後輩を慮ったのだろう。

 三竿は内田がクラブを去ったあと、こう話している。

「篤人さんは、ピッチにいるだけでみんなが安心する存在だった。でも、もういないので自分はもちろん、チーム全体でいい空気を作っていかないといけない。(個人的には)今や守備ではかかってこいって感じ。他の人に負ける気はない。避けられて他のところから攻められるようになってきたから、どんどん仕掛けてきてほしい。自信ありますよ。あとは得点に絡むところですね」

 チームのために全身全霊を捧げてきた姿は、後輩たちにしっかりと伝わっていた。

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