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“川崎アカデミー出身の最強コンビ”久保建英と三笘薫 中西哲生に聞く「2人のサッカーセンス」と「どこで1番活きるのか?」 

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中西哲生+戸塚啓

中西哲生+戸塚啓Tetsuo Nakanishi + Kei Totsuka

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posted2021/03/26 06:01

“川崎アカデミー出身の最強コンビ”久保建英と三笘薫 中西哲生に聞く「2人のサッカーセンス」と「どこで1番活きるのか?」<Number Web> photograph by KYODO

3月26日に五輪イヤーの初戦を迎えるU-24日本代表で、久保建英と三笘薫の“注目のコンビ”が実現しそうだ

 2つ目は43分に訪れます。GKのキックを1トップのエネス・ウナルがヘディングで右後方へ流し、久保がボールを収めます。モヒカはまた、間合いを詰めてきました。

 ここで久保は、一度目のように相手と正対せずに、自分の身体でボールを隠して左足でインターンします。モヒカを自分に食いつかせ、1つ内側のレーンにいるカルレス・アレニャにパスをつないだのでした。アレニャはゴール前にクロスを供給し、際どいシーンとなります。

 そして、60分のアシストです。右サイドで久保とモヒカが1対1になりますが、相手は距離を詰めてきません。43分の場面で翻弄された記憶が、モヒカを躊躇させたのでしょう。久保はタテへ持ち出してモヒカの股間を抜くパスを通し、1対1とする貴重な同点弾を演出したのでした。

 フットボーラーのスキルとは、持っている「技術」と「思考」の掛け合わせです。「思考」なしに技術は生きません。

 久保の「思考」には、「駆け引き」が含まれています。現在のプレーを未来への布石として、相手の出方に応じてプレーを変えていき、大事な場面でアシストという結果を残したのでした。

三笘も「駆け引き」が上手い選手

 三笘薫も「駆け引き」に優れています。スピードがあって技術が高く、テンポを変えて相手を外すことができる。スキルのバリエーションが豊富で、緩急やコース取りを使い分けながら、左サイドからカットインしてシュートへ持ち込んだり、左サイドからタテへ抜け出したりする。クロスにも複数のパターンがあります。左サイドからのクロスでは、右足のアウトサイドをうまく使っていますね。

 そうした彼の特徴は、「最初のプレーでこう対応されたから、次はこうしよう」という駆け引きに基づいています。相手を見てプレーすることが、Jリーグではできているのです。

久保&三笘コンビは「どこで1番活きるのか?」

 それだけに、U-24アルゼンチン代表戦は楽しみです。海外には長身でスピードがある、リーチが長い、といったように、日本ではあまり見ないタイプのDFがいます。

 今回来日したU-24アルゼンチン代表は、何人かの選手を招集できなかったと聞きます。それでも、東京五輪の南米予選を首位で通過している。優れたタレントが揃っていることに変わりはないでしょう。

【次ページ】 “川崎F出身者”が生み出す化学反応

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