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甲子園まで徒歩3分のはずが30分?…野球ファンもたまに間違う駅「JR甲子園口」から甲子園まで歩いてみた【センバツ】 

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鼠入昌史

鼠入昌史Masashi Soiri

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photograph byMasashi Soiri

posted2021/03/26 11:03

甲子園まで徒歩3分のはずが30分?…野球ファンもたまに間違う駅「JR甲子園口」から甲子園まで歩いてみた【センバツ】<Number Web> photograph by Masashi Soiri

事情を知らない野球ファンもたまに間違える?JR甲子園口。ここから甲子園まで歩いてみる

では、間違いやすい駅「JR甲子園口」には何がある?

 そんなわけで、大阪駅からJR神戸線に乗って甲子園口駅にやってきた。阪神間のJR神戸線にはご存知新快速が駆け抜けているのだが、甲子園口駅に停まる列車は各駅停車だけだ。なのでちょっと時間はかかるが、それでも大阪駅から15分弱とあっという間。阪神電車で大阪梅田から甲子園駅までも12分くらいだから、似たようなものである。

 新快速が通過する甲子園口駅は島式ホーム2面4線。実際に使われているのは3線だけで、盛土の上のホームから改札口までは階段を降りて通路を通ることになる。通路までの階段を降りると、「甲子園球場へは南口へ」と書かれた案内板がご丁寧に掲げられていた。誤って甲子園口駅にやってきた人たちは、きっとこのあたりまではまだ自らの間違いに気が付かない。

 ところが、案内板に従って南口に出たところであっけにとられることになる。甲子園口駅前の風景は、甲子園球場、つまり阪神タイガースの本拠地の周りとは明らかに違う雰囲気なのだ。

 阪神タイガースの本拠地といったら、「勝っても負けても虎命」と書かれたハッピを着込んで歩く人たちで溢れているはずだ。もちろん高校野球のシーズンにはそうした人はいなくても、その町の雰囲気は「勝っても負けても虎命」。しかし、甲子園口駅は駅舎も駅の周りも瀟洒で物静かなようだ。いかにもな高級住宅地の中を少し歩けば武庫川の河川敷があって、野球のスタジアムとはどうも違う空気感が漂っている。野球の聖地を感じさせるものは、駅前のバットとボールのオブジェくらいなのだ。

甲子園球場までの道のり(約30分)には何がある?

 そんな甲子園口駅から甲子園球場までは、駅前の商店街の中を歩いていくことになる。

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