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“中量級”の久保建英は「使う側」へ行くべき… 重視すべきモドリッチ&シルバと同じ資質とは【ヘタフェで苦戦中】 

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吉田治良

吉田治良Jiro Yoshida

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photograph byMutsu Kawamori

posted2021/03/04 17:01

“中量級”の久保建英は「使う側」へ行くべき… 重視すべきモドリッチ&シルバと同じ資質とは【ヘタフェで苦戦中】<Number Web> photograph by Mutsu Kawamori

高いスキルを、どう試合結果に直結させるか……それこそ久保建英が現状乗り越えるべき課題だろう

シルバ、モドリッチ、久保に共通する資質

 実際、マドリー加入直後の北米遠征で、ジネディーヌ・ジダン監督は久保をインテリオールで試していた。モドリッチの後継者候補とのイメージもあったのだろう。

 シルバも20代前半のバレンシア時代はサイドをメインとしていたが、徐々に中央へとポジションを移し、スペイン代表やマンチェスター・シティで不動の地位を築いていった経緯がある。

 現在、ともに35歳の両者に共通するのは、圧倒的なスキルがありながら、オフ・ザ・ボールの質が高く、周囲の力を引き出す術にも長けている点だろう。

 そういえば、15歳でアトレティコ・マドリーのユースに加入した“元祖・神童”玉乃淳氏は、久保の可能性について、かつてこんな風に話していた。

「ジダンが率いる現在のマドリーに照らし合わせれば、そこまでスーパーな存在にならなくてもいいのかもしれません。どんな状況であっても、すんなりゲームに入って機能できるタイプ。言い方を変えると、チームの駒になれる使い勝手のいい選手を目指すのが、トップチームでレギュラーを勝ち取るための近道かもしれませんね」

 ムバッペやハーランドのようなスーパーな存在にならなくてもいい。彼らを走らせ、彼らにゴールを決めさせる、上質で気の利いた駒になればいいのだ。

守備力、ミドルシュート、フィジカルコンタクト

 ただし、モドリッチやシルバになるためには、これから習得しなくてはならない資質がまだまだ少なくない。水準以上の守備力とフィジカルタフネス、そしてミドルシュートも含めた2列目からの得点力などだ。

 とりわけ求められるのが、フィジカルコンタクトの強さだろう。久保(173cm・67kg)と体格がよく似ているモドリッチ(172cm・66kg)とシルバ(173cm・67kg)も、若い頃は当たりの弱さを指摘されたが、その弱点を見事に克服し、こうして息の長いフットボーラーになった。久保も技術の上に胡坐をかくことなく、日々の鍛錬を怠ってはならない。

 当時18歳の久保を「もう若くはない」とした玉乃氏は、「22歳がひとつの目安」とも話していた。

 不遇に耐えながら、道を切り開き、向こう2~3年でどこまで成長できるか──。

 いずれにしても、久保が「新しいシルバ」、「新しいモドリッチ」となれる余地は、まだ十分に残されている。

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