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原辰徳監督が明かす桑田真澄コーチ就任の真相「最初から彼が素晴らしい野球人だとは思っていなかった。でも…」
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph bySANKEI SHINBUN
posted2021/02/27 11:03
キャンプでの練習終了後、ストレッチする桑田真澄・投手チーフコーチ補佐
――原監督も先発投手は中6日なら130球前後は投げてもらわないといけないし、100球で交代するなら中4日でローテーションを回すことも考えると話していました。
「そう。それで真澄の話を聞いてなるほど、と。僕も前からそういう感想を持っていたけど、ただ僕はピッチャー出身じゃない。そう思っていても、なかなか強くは言えない。そこをズバッと彼が言った訳ですね。まずそこが、ああ強い仲間が加わってくれたなと思う一つですね」
――野球以外の取り組み方とかそういう考え方でも共鳴する部分はありますか?
「例えば選手の喫煙の問題もあります。そういうことも含めて、選手というのは野球に関して限られた年数で、個人事業主として“お店”を開いているんですから、その限られた時間の中で野球にマイナスになることだけは避けさせたいし、1年でも長く強いパフォーマンスが出るようなことを彼と共に伝えることが大事だと思いますね」
「とにかく人の話をよーく聞きます」
――キャンプで実際の指導を見て指導者・桑田真澄に感じたことは?
「すごく緻密です」
――細かい?
「いや、言葉が適切かどうかは分からないですけど、選手へのアプローチを見ていても、最初は非常に用心深い。言葉を換えれば、我慢強さを持っていますね。とにかく人の話をよーく聞きます。そこから始まる。選手との話の内容を僕に報告したりするときも、やっぱり彼自身の感想や話は、最初には言わないですよ。まず相手に言わせます。質問が来るような環境を作ります。そこは彼も東大の野球部であったり、少年野球であったり、様々な場所で選手と接してきている。そういうところで学んで、さすがだなと思いましたね。非常に我慢強さがあります」
――指導者としての資質?