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強すぎマンC、19連勝中! 戦術家ペップの新手は“偽SB”カンセロ・ロール…野球で言えば“攻撃的2番”的発想?
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph byGetty Images
posted2021/02/27 11:01
グアルディオラ監督が編み出したカンセロ・ロールでマンCは絶好調だ
イルカイ・ギュンドガンの活躍も目覚ましい。2021年に入ってから11試合で9ゴール。得点王ランクの8位にまで食い込んできた。
窮余のゼロトップがギュンドガン覚醒を促進
セルヒオ・アグエロやガブリエル・ジェズスなど前線に起用されてしかるべき選手たちがコンディションを崩したため、グアルディオラ監督はゼロトップを採用した。いうなれば窮余の一策が、ギュンドアンには奏功したのである。
フィル・フォデン、ベルナルド・シウバ、あるいはケビン・デブライネなどは最前線で起用されてもポジションを頻繁に変える。サイドに流れたり、中盤に降りてきたり……。この動きによって前線中央にスペースができる。中盤インサイドからギュンドガンが飛び出す。ゴール! 近ごろ頻繁に見かけるシーンだ。
「1m前でも、後ろでもダメなんだ。ギュンドガンは、絶妙のタイミングでゴール前に飛び込んでくる」
グアルディオラ監督が絶賛したように、ギュンドガンはインサイドハーフとして覚醒しつつある。昨シーズンまでは深い位置でも高い位置でもボールさばきに主眼を置いていた印象が強いが、今シーズンはストライカー。スペースに飛び出すタイミングの良さと精度の高いフィニッシュで、必要不可欠の存在になっている。
多くが求められる現代SBにドンピシャなカンセロ
短距離ランナーのようなスプリントで上下動を繰り返し、ハーフレーンに進入して相手DFを脅かす。ビルドアップの際は中盤にポジションを移し、幅広い視野でボールを散らす。もちろん、1対1にも強くなくてはならない。近代フットボールのサイドバックは数多くの条件が求められるようになった。
そしてジョアン・カンセロは、この条件をほぼ満たしている。