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強すぎマンC、19連勝中! 戦術家ペップの新手は“偽SB”カンセロ・ロール…野球で言えば“攻撃的2番”的発想?
posted2021/02/27 11:01
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph by
Getty Images
リーグ最少の15失点(2位はチェルシーで25失点)。GKエデルソンのクリーンシートは最多の15試合。平均失点は驚異の0.58。50得点はマンチェスター・ユナイテッドの53に次いで2位で、1試合平均のポゼッション率はリーグトップの64.4%。素晴らしい数字が軒並み記録されている。
2月21日のアーセナル戦でも1-0の勝利を収め、プレミアリーグは13連勝、公式戦は19連勝だ。いま、マンチェスター・シティが強すぎる!
昨年11月、トッテナムに0-2の敗北を喫したとき、ジョゼップ・グアルディオラ監督はこう言った。
「トッテナムが優勝候補筆頭だ。我々ではない」
敵将ジョゼ・モウリーニョを牽制する意味合いも、たぶんに含まれていたと察するが、グアルディオラらしくないネガティブな発言だ。
3カ月ほど前のシティは動きが鈍かったのに
確かに、3カ月ほど前までのシティは動きが鈍く、攻守の切り替えに戸惑うケースが散見された。昨シーズンの疲れが残っているのかプレー強度が非常に低い。「コロナ禍では理想主義者のグアルディオラより、現実主義者のモウリーニョが有利」と主張する英国のメディアも少なくなかった。
また、負傷や新型コロナウイルスの陽性反応などで、多くの主力が戦列を離れてもいた。まだ序盤戦だったとはいえ、さしものシティも今シーズンは苦戦を免れない、との予想が大方を占めつつあった。
しかし、主力が体調を取り戻すに連れて、シティのパフォーマンスは上向いていった。そのひとりがジョン・ストーンズである。ハムストリングの痛みに長く苦しんできたが、センターバックの定位置を確保。ルベン・ディアスとのコンビは鉄壁で、彼らが先発した公式戦は13試合で1失点。フィードも正確で、ビルドアップする際にスライドする動きもしなやかだ。ストーンズは、シティ復調の一翼を担っている。