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大坂なおみが夢見る「一番素敵なこと」… “23歳4カ月の全豪2度目制覇”で一致、セリーナの境地へ近づくカギとは
text by
山口奈緒美Naomi Yamaguchi
photograph byHiromasa Mano
posted2021/02/21 17:04
心技体がそろった感のある大坂なおみ。2年ぶり2度目の全豪制覇は、彼女が名実ともに女王となった大会として語り継がれるのかもしれない
セリーナと大坂、“23歳4カ月”での共通点と違い
16年前の全豪オープンで、偶然にも今の大坂と同じ23歳4カ月で2年ぶり2度目の優勝を果たしたのがセリーナ・ウィリアムズだ。
ちなみにその時点で獲得していた全米オープンのタイトルは、これもまた大坂と同じで2つ。つまりハードコートに限れば、通算23回のグランドスラム優勝を誇るセリーナと並ぶペースなのだが、そのときセリーナはすでにウィンブルドンで2度、全仏オープンでも1度頂点を制していた。
大坂は、その両大会でこれまで3回戦を突破したことがない。
クレーと芝の攻略が<ネクスト・セリーナ>へのカギ
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昨年の秋に開催された全仏オープンは欠場したため、ツアー再開から負けなしの21連勝も舞台は全てハードコート。イレギュラー・バウンドがなく足元も安定しているハードコートは、大坂のパワーやスピードを邪魔するものがなく、持ち味が最大限に生かされるサーフェスである。<ネクスト・セリーナ>の異名をよりふさわしいものにするためには、クレーと芝の攻略がカギになる。
コーチは「クレーで結果を出せないはずがない」
コーチのウィム・フィセッテはハードコート以外での成功の可能性に大きな期待を抱いている。
「なおみのコートでの動き、パワーを効率的に生み出す体の使い方、ポイントの組み立て方を見れば、クレーコートで結果を出せないはずがない」
そして、必要なことはその自信を得るためのプロセスだという。
「たくさんの試合をこなし、確かなゲームプランの中で自信を得ていかないといけない。ハードコートでなら、決めにいってミスをしてもすぐに気持ちを切り替えられるが、多分クレーや芝では、同じことをしても、もっと安全なところを狙えばよかったとか、やるべきじゃなかったとか考えてしまう。迷いが生じやすいんだ。でも必ずうまくいくと思っている」