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大坂なおみが夢見る「一番素敵なこと」… “23歳4カ月の全豪2度目制覇”で一致、セリーナの境地へ近づくカギとは
posted2021/02/21 17:04
text by
山口奈緒美Naomi Yamaguchi
photograph by
Hiromasa Mano
グランドスラムで優勝したい、ナンバーワンになりたい、歴史を作りたい――。10代の頃の大坂なおみは、大きな夢をいくつも語り、多くを実現させてきた。今まだやり残していることで、これから達成したいことは何か、そんな質問に大坂は引退も近いベテラン選手のようなことを言った。
「変に聞こえるかもしれないけど、できるだけ長く現役を続けて、好きな選手は私だったと言ってくれる女の子といつか試合をしたいわ。それって、私にこの先起こるかもしれない一番素敵なことだと思うの」
自分自身が高みを目指してがむしゃらにチャレンジしていた日々は、そう遠い過去の話ではない。年下との対戦は苦手だと語り、1年前のこの全豪オープンでは7歳下のコリ・ガウフとの試合に敗れて痛い目にあった。
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それが今、そんな究極のチャレンジを受けるシチュエーションを楽しみにしているという。こういう心の変化も、半年のツアー中断が明けてから見せ続けている強さと無関係ではないのだろう。
初めて“チャレンジされる”側に
決勝戦、大坂は完全にチャレンジされる側だった。
第22シードのジェニファー・ブレイディにとって初めてのグランドスラム決勝。大坂のグランドスラムの決勝は4度目だが、これは初めての経験だ。
過去の決勝の相手を振り返れば、2018年の全米オープンで挑んだセリーナ・ウィリアムズは言うまでもなく、翌年の全豪オープンでのペトラ・クビトバと昨年の全米オープンのビクトリア・アザレンカも、ランキングこそ大坂が上だったとはいえ、それぞれ2回のグランドスラム優勝経験を持つチャンピオンだった。