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“中指事件”のコンテ 謝罪とユーモアを忘れず…大一番ダービーは“インテル強し”を知らしめる絶好機 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2021/02/21 17:03

“中指事件”のコンテ 謝罪とユーモアを忘れず…大一番ダービーは“インテル強し”を知らしめる絶好機<Number Web> photograph by Getty Images

ユベントスとのコッパ・イタリア準決勝で騒動を起こしたアントニオ・コンテ。しかし、チームは11年ぶりのスクデット獲得に向け、ついにセリエA首位に躍り出た

4度目の受賞から3カ月

 昨年11月、R・マドリーに敗れてCL敗退が決定的となったときも、番組リポーターは『タピーロ・ドーロ』像を抱えてインテル指揮官の下へ向かった。練習場へ向かう車を信号待ちで捕まえるのは、彼の常套手段だ。

 運転席のコンテがウインドウを下げると、リポーターは解任の噂を匂わせながら、「表情が暗いですよ」とすかさず突っ込んだ。

 しかし、コンテは通算4個目の『タピーロ・ドーロ』を受け取ると、「(俺を困らせて)あんたの表情は嬉しそうだな」とユーモアで切り返し、練習場へ走り去った。

 あれから3カ月が経ち、インテルはセリエAで首位に立った。

2.21、ライバルとの首位決戦へ

 今週末、2月21日(日)の第23節ミラノ・ダービーは熱戦必至。10年ぶりに聖地サン・シーロで首位対決が実現となれば、盛り上がらない方がおかしい。

「首位に立つことは長い間の目標だった。ついにやった。とても嬉しいが、これを出発点とするべきだ。ダービーはいい試合になるだろう。“唯一の目標”に向かって、全員で協力しつつインテルは進んでいかねばならない」(コンテ)

 首位固めを狙いたいインテルには好材料が揃っている。

 カップ戦がなくなったことでカンピオナートのみに集中できるうえ、累積警告による出場停止処分へリーチがかかっていたバレッラ、ブロゾビッチ、DFアレッサンドロ・バストーニの主力3人がラツィオ戦での警告を回避できたため、ミラン戦でも出場可能となり、戦法の幅が広がった。

 逆に、ミランは故障明けのMFハカン・チャルハノールやMFイスマエル・ベンナセルの調子が今ひとつで、木曜日にはELツルベナ・ズベズダ戦を消化しており、セルビア遠征による極度の消耗が避けられない。

 つまり、優位なのはインテルだ。

 それだけに、仮に敗れて“1週天下”なんてことにでもなれば、またぞろ『タピーロ・ドーロ』像がコンテへ届けられるのは間違いないだろう。

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