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【85歳&78歳】長嶋茂雄とアントニオ猪木の共通点は「誕生日」と「レコード未発売」<昭和歌謡とスポーツ選手>
text by
高木圭介Keisuke Takagi
photograph byNaoya Sanuki/Masahiko Ishii
posted2021/02/20 17:00
昭和の日本スポーツを代表する長嶋茂雄とアントニオ猪木。誕生日が同じなのも奇遇だが、この時代に珍しく2人とも歌声を残していない
57歳のミスターが披露した一瞬の歌声
これら数々のスポーツ選手が、レコードにて歌声を披露してきたワケだが、時代が平成に移り、音盤もレコードからCDへと移り変わると、ミスターも心変わりしたのか? 第二次監督時代スタート直後の平成5年6月には、日本テレビのプロ野球中継『劇空間プロ野球93』のテーマ曲として作られた『果てしない夢を』にゲストボーカルとして参加。
メインボーカルをZARDの坂井泉水、WANDSの上杉昇、ZYYGの栗林誠一郎、高山征輝、REVの出口雅之らが務める中、当時57歳のミスターも演奏開始3分40秒あたりで「♪熱く熱く信じていたい」「♪ずっとずっと胸に抱きしめ~」と一瞬だけソロで歌声を披露している。
猪木がカラオケで歌った曲は?
一方、猪木も平成19年に、TRIPLE-Pがリリースしたラップ曲『道』に参加しているが、ここでも歌声ではなく、おなじみのセリフや『道』の詩を朗読する形でラップに“参戦”という形になっている。
では、燃える闘魂は歌が苦手で嫌いなのか? というと、決してそんなことはない。筆者はプロレス担当記者時代に猪木とカラオケに興じたことがあるが、アントニオ猪木という強烈すぎる個性が歌声から消されることはないものの、実に上手く、リズミカルに気持ちよさそうに歌っていた記憶がある。ちなみに歌っていた楽曲は舟木一夫の『銭形平次』や、水前寺清子の『三百六十五歩のマーチ』、あとはアニメ『タイガーマスク』の主題歌だった。
85歳となるミスターも、78歳となる燃える闘魂も「明るく元気な日本」を象徴する太陽のような存在。まだまだお元気でいて欲しい。