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【レッドソックス加入報道】澤村拓一はMLBで活躍できる? 過去の日本人リリーフの成績から推測すると…
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byJjji Press/Nanae Suzuki
posted2021/02/10 11:02
菅野智之(右)が巨人残留を決めた一方で、澤村拓一は2月に入ってレッドソックス加入が決定した
NPBのエース級ならMLBでも……
ざっくりしたデータではあるが、NPBでエース級だった投手はMLBでも2けた勝つくらいの活躍をしていることがわかる。
先ほど挙げた11人の投手の成績の平均は、以下の通り。
NPB 14.3勝5.7敗180.4回 率2.37
MLB 10.1勝8.4敗147.8回 率4.04
勝利数は30%減って敗北数は54%増える。投球回数は18%減って防御率もかなり悪化する。
NPBのエース級は少なくともMLBのローテの3、4番手は務まるということだ。今季は120試合だったが、菅野と有原の成績を143試合制に換算したうえで、来季のMLBが162試合制に戻るとして、単純比較であるが数字を想定すると……。
<菅野智之>
2020年17勝2敗163.2回 率1.97(巨人)
2021年12勝4敗134.1回 率3.41(MLB)
<有原航平>
2020年10勝11敗158.1回 率3.46(日本ハム)
2021年6勝17敗129.2回 率5.99(MLB)
菅野はローテを担って優秀な成績。イメージ的にはヤンキース時代の黒田博樹や田中将大に近いか。先発完投は求められないから故障のリスクは減るだろう。
有原はマリナーズに移籍した菊池雄星に近いか。ローテの3、4番目というレベル。今季は不本意な成績だったので、もう少し成績は良くなる可能性はあるだろう。
上原、高橋尚のように救援転向パターンも
ただ先発投手は、開幕から早いうちに結果を出す必要がある。松坂大輔とともに2007年にヤンキースに移籍した井川慶は6回の先発で結果を出せなかったためにマイナー落ちした。
上原浩治や高橋尚成のように、救援に転向する例もある。
菅野、有原ともに抜群の成績でなくてもデビューからQS(先発で6回以上投げて自責点3以下、先発投手の最低限の責任とされる)をキープしていく必要はあるだろう。