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【レッドソックス加入報道】澤村拓一はMLBで活躍できる? 過去の日本人リリーフの成績から推測すると…
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byJjji Press/Nanae Suzuki
posted2021/02/10 11:02
菅野智之(右)が巨人残留を決めた一方で、澤村拓一は2月に入ってレッドソックス加入が決定した
澤村はリリーフとして通用するのか
続いては澤村である。救援投手もNPBの成績からある程度予測ができる。救援投手に関しては「長く活躍できるか」がポイントだ。
<NPBからMLBに移籍した主要な救援投手の移籍後2年間の成績>
大塚晶則(中日-パドレス)
2004年7勝2敗2SV 34HD 率1.75
2005年2勝8敗1SV 22HD 率3.59
高津臣吾(ヤクルト-ホワイトソックス、メッツ)
2004年6勝4敗19SV 4HD 率2.31
2005年2勝2敗8SV 4HD 率5.20
斎藤隆(横浜-ドジャース)
2006年6勝2敗24SV 7HD 率2.07
2007年2勝1敗39SV 1HD 率1.40
岡島秀樹(日本ハム-レッドソックス)
2007年3勝2敗5SV 27HD 率2.22
2008年3勝2敗1SV 23HD 率2.61
小林雅英(ロッテ-インディアンス)
2008年4勝5敗6SV 2HD 率4.53
2009年0勝0敗0SV 0HD 率8.38
薮田安彦(ロッテ-ロイヤルズ)
2008年1勝3敗0SV 0HD 率4.78
2009年2勝1敗0SV 0HD 率13.50
建山義紀(日本ハム-レンジャース)
2011年2勝0敗1SV 4HD 率4.50
2012年1勝0敗0SV 0HD 率9.00
平野佳寿(オリックス-ダイヤモンドバックス)
2018年4勝3敗3SV 32HD 率2.44
2019年5勝5敗1SV 15HD 率4.75
斎藤隆を除く投手の2年目の成績が下落している。
澤村の「マネーピッチ」が通用する期間は……
NPBの一線級の救援投手は「マネーピッチ」と呼ばれる「決め球」を持っている。1年目はこれが通用して活躍できるが、2年目には研究されて通用しなくなるのだ。
直近の平野佳寿で言えば、落差の大きなフォークで1年目はセットアッパーとして活躍したが、2年目に相手打者はこの球に手を出さないようになり、成績は下落した。
もちろん1年目から通用しなかった救援投手もいる。また斎藤隆や岡島秀樹、そして先発から転向した上原浩治のようにMLBでさらに進化して長く活躍した投手もいる。
澤村拓一は伸びる速球とフォークの組み合わせで活躍してきたが、彼の場合もNPB時代のマネーピッチがそのまま通用する期間は長くはないと考えるべきだろう。
ただし救援投手の場合、ベテラン投手の方が生き残る可能性は高い。経験値が役に立つのだ。来季33歳の澤村だが、MLBの野球に適応すれば、長く実績を残す可能性はあるだろう。