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【レッドソックス加入報道】澤村拓一はMLBで活躍できる? 過去の日本人リリーフの成績から推測すると…
posted2021/02/10 11:02
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Jjji Press/Nanae Suzuki
NPBのスター選手がMLB挑戦を表明するのは、オフの恒例行事になりつつある。2020年も巨人の菅野智之(残留)、日本ハムの有原航平(レンジャーズ加入)、西川遥輝(残留)がポスティングで、ロッテの澤村拓一が海外FA権を行使してMLBに挑戦すると表明した。一方で、ロッテの石川歩はMLB挑戦を断念した。
しかしながら2020年は尋常な年ではない。世界を覆った新型コロナウイルス禍によって、スポーツ界は壊滅的な打撃を受けた。MLBも162試合制が60試合となったうえに、レギュラーシーズンは無観客だった。
しかも世界最大の感染者数のアメリカは、今も感染拡大が収まらない。さらにはMLBと選手会の労使交渉も明確な合意がないままである。来季がどんなシーズンになるのか、あるいはそもそも来シーズンがあるかどうかさえもはっきりしていない。
こんな状況では石川歩のようにメジャー挑戦を断念するという選択肢もあるだろう。しかしたかだか15年、20年しかないプロ野球選手の現役生活で、MLB挑戦のタイミングは限られている。この先どうなるかわからないが、手を上げた選手たちの気持ちも十分に理解できる。
2021年については流動的だという前提で、4人のメジャー挑戦者の可能性について考えていきたい。
菅野智之、有原航平は先発投手としてどうか
野茂英雄がMLBに挑戦してから25年。NPBの一線級の先発投手は、MLBでも通用することがある程度明らかになってきた。こと先発投手に関しては日米で「互換性」があるのだ。
<21世紀以降にMLBに渡った主要な先発投手の移籍前年と1年目の成績>
石井一久
2001年12勝6敗175回 率3.39(ヤクルト)
2002年14勝10敗154回 率4.27(ドジャース)
松坂大輔
2006年17勝5敗186.1回 率2.13(西武)
2007年15勝12敗204.2回 率4.40(レッドソックス)
井川慶
2006年14勝9敗209回 率2.97(阪神)
2007年2勝3敗67.2回 率6.25(ヤンキース)
黒田博樹
2007年12勝8敗179.2回 率3.56(広島)
2008年9勝10敗183.1回 率3.73(ドジャース)
川上憲伸
2008年9勝5敗117.1回 率2.30(中日)
2009年7勝12敗156.1回 率3.86(ブレーブス)
ダルビッシュ有
2011年18勝6敗232回 率1.44(日本ハム)
2012年16勝9敗191.1回 率3.90(レンジャース)
岩隈久志
2011年6勝7敗119回 率2.42(楽天)
2012年9勝5敗125.1回 率3.16(マリナーズ)
田中将大
2013年24勝0敗212回 率1.27(楽天)
2014年13勝5敗136.1回 率2.77(ヤンキース)
和田毅(※12、13年はトミー・ジョン手術の影響で登板なし)
2011年16勝5敗184.2回 率1.51(ソフトバンク)
2014年4勝4敗69.1回 率3.25(カブス)
前田健太
2015年15勝8敗206.1回 率2.09(広島)
2016年16勝11敗175.2回 率3.48(ドジャース)
菊池雄星
2018年14勝4敗163.2回 率3.08(西武)
2019年6勝11敗161.2回 率5.46(マリナーズ)