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「監督に休めと言われたけど拒否したよ(笑)」カフーが18年間の現役生活で891試合に出場できた秘訣とは
text by
エリック・フロジオEric Frosio
photograph byREUTERS/AFLO
posted2021/02/07 17:02
2002年W杯日韓大会で主将として優勝に貢献。W杯は通算4大会に出場した
――あなたは生涯を通じて偉大な監督たちのもとでプレーしてきました。ルイス・フェリペ・スコラーリやバンデルレイ・ルシェンブルゴ、ズデニク・ゼーマン、ファビオ・カペッロ、カルロ・アンチェロッティ……。誰が一番印象に残っていますか?
カフー 彼らとはずっと良好な関係を保っている。僕にはディシプリンがあったから、指導は難しくなかったと思う。波風を立てないし、常に勝利を求めてチームメイトたちと練習に励んだ。
でも誰かひとり名前をあげるとしたらアンチェロッティだ。彼とは本物の関係を築けた。僕が個人的な問題(父親の病気)で悩んでいたときに、僕を理解して助けてくれたのが彼だった。
「先のことはW杯カタール大会が終わってから考える」
――監督になりたいと思いますか?
カフー いつか考えを変えるかもしれないけど、今はその気はない。とても難しい仕事だと思う。僕は競争意識が高く常に勝利を求める。でもブラジルでは、いい条件で仕事ができることはほとんどない。どんなプロジェクトを描いても実現されることはあり得ない。2回負けると解任されてしまうからね。それに僕はいま、カタールW杯のアンバサダーを務めている。だから大会が終わるまでは他のことはできないんだ。先のことはそれから考えるよ。
――世界最高の右サイドバックとして、若い選手たちに望むことはなんでしょうか?
カフー 選手が足でボールに触れることだ。その機会が増えれば得点のチャンスも増すし、サッカーもよりスペクタクルになる。だからこそ選手の選択に注目する。彼らがどんな風にしてボールにタッチするか。その根源的な部分を考えるのがいまの僕には楽しいんだ。
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