カフー　その通りで、クラブ首脳と合意に達していた。ブラジルの人々に別れを告げる意味も込めて、サントスで1シーズンプレーするつもりだった。ただ、そこで家族の問題が生じて、目論見を断念せざるを得なかった（父親が重病の後に2008年6月18日に逝去）。

――実現していれば、2009年には開花しつつあったネイマールと一緒にプレーしていたかも。

カフー　彼だけじゃない。ガンソやアンドレ、2010年にはロビーニョも所属した。彼らと楽しくプレーできたかもしれないのに、本当に残念だった。

――フェノメナ（怪物）ということでは、チームメイトや対戦相手で誰が一番印象深かったですか？

カフー　もちろんディエゴ・マラドーナだ！　一度しか対戦しなかったけど本物のマジシャンだった。他にも僕は神聖なモンスターと一緒にプレーした。ペレだ。彼の50歳の生誕記念試合（1990年10月31日、ブラジル代表対世界選抜）で、ミラノで行なわれた。

レジェンドによる近年のサイドバック評

――最近のサイドバックでは誰が好きですか。また、誰があなたに似ていると思いますか？

カフー　アレクサンダー・アーノルド（リバプール）は好きだね。スピードがあってボールコントロールも卓越している。決して相手を恐れず、常にチャレンジを試みている。パーソナリティもしっかり確立している彼にはブラジルの香りを感じる。優れた選手だと思うし、これから素晴らしいキャリアを築いていくだろう。

リバプールでプレーするアレクサンダー・アーノルド。DFとして1シーズンに12アシストのギネス記録を持つ　©Alain Mounic／L’Équipe

――ブラジルに関していえば、ダニエウ・アウベスの力が衰えて以降人材難の時期に入った印象です。

カフー　僕もそう思うが、長く続いて欲しくない。優れたサイドバックはたくさんいるけど、彼らがブラジルの伝統を引き継ぐにはさらなる努力が必要だ。それでも新たなカルロス・アウベルトやカフー、ダニエウ・アウベスを育てるのはそう難しくないと思う。今日の若者たちはとてつもなく高い要求にさらされている。高額のサラリーを得ている以上仕方ないこととは思うが……。

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