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【デビュー弾】南野拓実と相性抜群 吉田麻也もサウサンプトン時代に経験 “オーストリアのクロップ”の戦術とは
posted2021/02/08 17:03
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph by
Getty Images
「スーパーゴール。GKは、まったくのノーチャンスだ」
南野拓実がサウサンプトンのデビュー戦で決めた初ゴールを、英BBC放送は速報でそう伝えた。
チャンスにサウサンプトンの選手たちが前方に駆け上がっていくと、ボールは左サイドバックのライアン・バートランドのもとへ。前所属先のチェルシーでチャンピオンズリーグ優勝を経験したイングランド人は、日本代表の足元に速い弾道のパスを送った。
すると、南野は右足で前方にトラップ。このファーストタッチでマーカーを追い越してペナルティエリアに侵入し、左足でニアサイドをぶちぬいた。レンタル先のサウサンプトンで再スタートを切った南野が、新天地で初ゴールを決めた瞬間だった。
攻守とも加入直後と思えない「南野らしさ」が
移籍発表から4日後に行われたニューカッスル対サウサンプトン戦。「すぐに我々を助けてくれるはずだ」と、試合前の会見でラルフ・ハーゼンヒュットル監督が期待していた通り、南野は先発メンバーに抜擢された。
ポジションは4-2-2-2の攻撃的左MF。守備時には敵を執拗に追いかけ、攻撃時になれば前線に顔を出してパスを呼び込んだ。「得点以外の場面でも良い動きをしてくれた」と試合後の指揮官が褒めていたように、戦術タスクをこなしがら、随所に「南野らしさ」を発揮した。
加入直後にも関わらず、効果的なプレーが光った。
チームがポゼッションを失えば、即座に敵に寄せてボール奪取を試みる。敵のサイドバックが攻撃に参加すると、南野は執拗に追いかけてスライディングタックル。サウサンプトンは攻撃時、ボックス型の4-2-2-2、守備時は中盤がフラットな横並びになる4-4-2に変形する可変システムである。
その中でも、中央部(アタック時)とサイド(ディフェンス時)へのポジション移動をスムーズにこなした。前線に顔を出すタイミングを含め、指揮官の要求をピッチ上で体現したのだ。