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難度の高い手術とリハビリを乗り越えて…日本ハム野村佑希20歳、ベテランも「ヤバイわ」と驚く才能
text by
高山通史Michifumi Takayama
photograph bySankei Shimbun
posted2021/01/29 17:00
昨季は開幕スタメンでプロ初出場を果たした野村。21試合に出場し、打率.257、3本塁打をマークした
春季キャンプは初の一軍スタート
入団してわずか2年間で経験した辛苦に打ち勝ち、3年目のスタートラインに立つ。
昨年の開幕戦で、スタメン起用を告げられた瞬間は「一気に緊張した」と初々しかったが、一軍では21試合に出場した。3本塁打も放ち、サヨナラヒットも打った。勝負の今年、渇望はステップアップしたのである。
「ファームは個人成績を気にしがちですが、一軍はチームの勝ち負けが一番。そこに、自分がいかに貢献できるか。勝ち負けがしっかりあり、勝負がある。そこが楽しかった」
春季キャンプを、初めて一軍で迎える。昨年は故障の影響もあり、ファームからスタート。開幕直前の練習試合で起用されて5試合で3本塁打と衝撃的なアピールをし、彗星のように現われた。その時にベンチや、モニターでそのシーンをチェックしていた主力選手たちが嘆息して漏らした言葉を今、回想する。
「ジェームス、ヤバイわ」
百戦錬磨の中堅、ベテラン選手たちも胸を躍らせていた。
誰もが認める才を、フルスロットルで解き放つ球春が到来したのである。