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【解任説にコロナ陽性】頑固なジダン “有望株飼い殺し”とベテラン頼りでマドリー停滞…変革の時は近いか
posted2021/01/23 11:01
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph by
Getty Images
なかなか波に乗れないバルセロナばかりが話題になるラ・リーガだが、R・マドリーも今季は振るわない。
昨年11月のリーガ3試合では1勝もできず(1分2敗)、CLシャフタール戦にも敗れ、ジダン解任の可能性が取り沙汰された。今年に入り、1月20日に行われた国王杯では2部Bリーグ所属のアルコヤーノと対戦して延長戦にもつれ込み、10人になった相手に逆転負け(1-2)を喫している。そして22日にはジダンが新型コロナウイルス陽性判定を受けたと、クラブから発表があった。
ピッチに立つ11人は「いつもの面々」
散々な状況だが、ピッチに立つ11人の顔ぶれに大きな変化はない。「いつものR・マドリー」だ。
が、戦術的アイデアの不足とともに、不調の原因に挙げられているのはまさにその点。変わらぬ顔ぶれによる主軸の高齢化である。
数年前、R・マドリーは方針を変え、補強を行う際に世界的に知られたスターではなく、まだ青さが残るタレントを重視するようになった。
インフレが進む移籍市場で、マンチェスター・シティやパリSGといった中東に資金源を持つクラブと争わねばならなくなったことが背景にあると考えられている。
新たなスター候補を獲りまくったが
そして、2017年にテオ・エルナンデスとダニ・セバジョスがやってきた。その翌年にはビニシウス、オドリオソラ、ブラヒム・ディアス。19年はミリタン、ロドリゴ、ヨビッチ。他にもBチームからマルコス・ジョレンテ(16年)やアクラフ・ハキミ(17年)、レギロン(18年)、バルベルデ(18年)らがトップチームに上げられた。
どの選手も、やがて「新しいR・マドリー」の中核になることを期待されて。
ところが、彼らの幾人かはすでに他クラブへ移り、幾人かはローン移籍で貸し出され、残りはいまだに十分な出場機会を得られないでいる。
ジダンには、若手を信じて育てる姿勢が欠けているのだ。