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プレミアの“消えた天才”たちの今 素行不良でマンU→渡り鳥人生、計4年離脱した“ガラスの足首”…
posted2021/01/23 17:02
text by
三重野翔大Shodai Mieno
photograph by
Getty Images
デイビッド・ベッカム、ライアン・ギグス、ポール・スコールズ、ガリー・ネビル――。
世界中のサッカーファンがその名前を知る、マンチェスター・Uアカデミーの同期生だ。ベッカムは代表やメガクラブで世界に名を馳せ、ギグス、スコールズ、G.ネビルはクラブのアイコンとしてユナイテッドに全てを捧げた。
彼らの才能を見出したのは言わずもがな、クラブに数々の栄光をもたらしたサー・アレックス・ファーガソン。その歴史上最も偉大な監督が才能を認めた1人のアカデミー生を覚えているだろうか。
オランダ・エールディビジのADOデンハーグは1月9日、MFラベル・モリソンとの契約を双方合意の下で解除したことを発表。昨年9月に加入してからわずか半年、たった公式戦5試合に出場したのみでクラブを去ることになった。
英『スカイ・スポーツ』が「モリソンは現在プロキャリア12番目となるクラブを探している。これまでいずれのチームでも30試合より多く出場したことがない」と報じたように、2月2日で28歳を迎えるかつての神童は、昔思い描いていたものとは程遠いキャリアを歩んでいる。
13歳の頃は「ギグス以来、最高の才能」
ユナイテッドのアカデミーに所属していた頃、同時期にポール・ポグバ、ジェシー・リンガード(ともにマンチェスター・U)、マイケル・キーン(エバートン)らがいたにもかかわらず、モリソンは間違いなく飛びぬけた存在だった。それはあのファギーが見初めたという事実が示している。
G・ネビルは「ラベルが13歳の時にファーガソンが、この選手はギグス以来、このクラブで最高の才能だと言っていた」と振り返れば、リオ・ファーディナンドは「サーがある日、僕とウェイン・ルーニーを呼び出して『あの子を見てみろ。ウェイン、あの子はお前の子供の頃よりも上だ。リオ、お前とライアン・ギグスの子供のころよりも上だ。今まで見てきた中で最高の子だよ』と言ってきたんだ」とファーガソンとのエピソードを語った。