バレーボールPRESSBACK NUMBER
石川祐希の言葉と行動から感じる“成長“「2021年は希望の“種”になれるように」の真意
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byPowervolley Milnano
posted2021/01/09 17:01
今シーズンはセリエAのパワーバレー・ミラノで初のプレーオフ進出を目指し戦っている
それでも、経過観察期間を経て、12月17日、22日の2度の検査でともに陰性が確認され、メディカルチェックでも異常はみられなかったため、28日にチームに合流し活動を再開。1月3日のセリエA・ベローナ戦に早速スタメン出場した。セットカウント1-3で敗れたが、石川はチーム2番目の15得点を挙げた。
「久しぶりに試合ができて嬉しかった。万全ではない中で試合をしないといけなかったので、非常に難しい一戦でしたが、僕自身の感覚としては、復帰明けにしては悪くなかったし、いいプレーも多かった」と安堵の表情を見せた。
まだ咳が少し残っており、味覚・嗅覚も半分ほどの回復だが、パフォーマンスへの影響は感じていないと言う。
「約3週間体を動かしていなかったので、筋力が落ちていて、その分、感染する前よりは疲労を感じるようになっていますし、試合勘もまったくなくなっているとは感じましたが、パフォーマンスにはそれほど影響していません」
ただ、石川と同時期に感染が判明したチームメイトのブラジル人選手は、味覚・嗅覚の症状は完全に回復したが、練習中、「まだ呼吸がしづらい」と話していたという。「症状も人によって違うし、本当にわからないことが多いですね」と石川は言う。
東京五輪は「やってほしい」けど……
2021年は改めての東京五輪イヤーとなるが、先行きは見通せない。
その東京五輪について聞かれた石川は、「やってほしいかやってほしくないかと聞かれたら、やってほしいです。もちろんアスリートとしてオリンピックの舞台は特別だと思っているので、そこでプレーしたいという気持ちは強いです。でも、やっぱり今の世界情勢を考えると、非常に難しい判断だなというふうには思います。実際に自分が感染して症状も出た身としては、やはり健康で、元気であることが一番だと感じているので、人々の健康や命を最優先に考えてほしいなというふうに思っています」と今の率直な思いを口にした。