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2020年のオリックス、借金23最下位も実は弱くなかった? 伸びしろを感じるワケ【記録で振り返り】
posted2021/01/06 11:02
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
JIJI PRESS
2020年のオリックス・バファローズへの印象を一言で言えば「そこまでに負けるチームではなかった」ということになる。
<2020年チーム成績>
45勝68敗7分 勝率.398(6位)
打率.247(4位)本塁打90本(4位タイ)442打点(6位)95盗塁(2位)
防御率3.97(3位)20セーブ(6位)84ホールド(4位)107被本塁打(3位)
得失点差に基づく勝率である「ピタゴラス勝率」では、オリックスは49勝64敗、勝率.437、やはり最下位ではあるが、5位西武(勝率.438)とのゲーム差は2差、4位日本ハム(.466)とは1ゲーム差。Bクラスではあるにしても、一人負けではなかったはずだ。
またオリックスからは首位打者の吉田正尚、最多奪三振の山本由伸と、タイトルホルダーが2人も出ている。陣容もそれなりに揃っていたはずなのだ。
オリックス・バファローズは「なぜ実力以上に負けたのか?」について考えたい。
最大の要因はやはり、西村徳文前監督時代に大負けしたことか。
<西村監督時代と中嶋聡監督代行時代の戦績>
西村監督
16勝33敗4分 勝率.327
中嶋監督代行
29勝35敗3分 勝率.453
中嶋監督代行になっても負け越してはいたが、勝率は大幅に改善された。
序盤の「同一カード6連戦」に泣かされた
とにかく、シーズンの立ち上がりが最悪だった。昨年のパ・リーグは、開幕2カード目から「同一カード6連戦」という変則日程だったが、オリックスはロッテ戦で6連敗したのだ。
同一カード6連戦6連敗は、今後二度と出そうにない珍記録ではあるが、それもあって開幕の6月は1勝9敗。早々に諦めムードになってしまったのだ。