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五輪代表決戦も…? “箱根を沸かせた選手が勢ぞろい”《ニューイヤー駅伝》で「注目すべき」7人とは
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byTakuya Sugiyama
posted2021/01/01 06:02
昨年のMGCでトロフィーを掲げる、(左から)中村匠吾と服部勇馬
大学卒業での現役引退を撤回!青学出身の“練習の虫”ランナー
勢いなら吉田祐也(青学大-GMOインターネットグループ)だろう。
昨季、箱根4区では区間新の走りで2年ぶりの優勝に貢献すると、2月別府大分毎日マラソンで日本人トップ、学生歴代2位の2時間8分30秒を出した。大学卒業と同時に、陸上界からの引退を決めていたが、この結果で撤回。GMOインターネットグループに入って競技を続行することを決めた。
花田勝彦監督が止めるまで続けると話すほどの「練習の虫」で、この秋もメキメキと力を伸ばしてきた。そうして迎えた12月の福岡国際マラソンでは、自身2度目のフルマラソンだが2時間7分5秒で優勝。「気持ちよく次に臨める」と駅伝に気持ちを切り替えている。初のニューイヤー駅伝となるが、チーム史上最強のゴールデンルーキーが昨季の箱根を彷彿とさせる走りを見せてくれるのは間違いない。
所属するGMOインターネットグループは、東京五輪マラソン男子補欠候補の橋本崚(青学大)をはじめ、八王子ロングディスタンス10000mで28分09秒23の自己ベストを出した一色恭志(青学大)、青学大元主将の森田歩希、1年目でメキメキ力をつけてきた近藤秀一(東大)らがいる。東日本実業団駅伝では強豪チームを抑えて堂々の2位。着実にチーム力が上がってきており、今季は昨季の5位から一気に頂点を目指す。
大迫を破った注目株・東京五輪マラソン代表ランナー
トップランナーである中村匠吾(駒大-富士通)の走りも楽しみだ。
昨年9月のMGCで優勝し、東京五輪マラソン男子代表の内定を得た中村だが、その後はコロナ禍の影響もあり、自身のレベルアップに時間を費やすために福岡国際マラソン出場を見送った。東日本実業団駅伝では、富士通の優勝に貢献する走りを見せ、調子自体は悪くはない。ニューイヤー駅伝は2年ぶりの出走になるが、前回は4区で井上大仁、市田孝と競り合って2位で襷を渡している。今回の駅伝では、マラソンの日本代表として、違いを見せる走りを期待したい。
富士通は昨年、東日本実業団駅伝でアクシデントが起こって17位に終わり、90年の創部以来、29年間続いていたニューイヤー駅伝出場が途切れた。今年は、東日本実業団駅伝で優勝。その戦力は中村を筆頭に鈴木健吾(神大)、塩尻和也(順大)、日本選手権5000mで優勝した坂東悠汰(法大)、浦野雄平(国学大)、中村大成(駒大)など非常に充実しており、隙がない。2年ぶりの舞台で絶対王者・旭化成の5連覇を阻むことができるか。