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五輪代表決戦も…? “箱根を沸かせた選手が勢ぞろい”《ニューイヤー駅伝》で「注目すべき」7人とは
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byTakuya Sugiyama
posted2021/01/01 06:02
昨年のMGCでトロフィーを掲げる、(左から)中村匠吾と服部勇馬
箱根駅伝で青学大を総合優勝に導いた主将も
昨季、主将として青学大を箱根駅伝優勝に導いた鈴木塁人(青学大-SGH)の走りも楽しみだ。
昨季の箱根3区ではヴィンセント(東京国際大)に抜かれたものの2位をキープ、4区の吉田祐也に繋げて優勝への道筋を作った。卒業後は、トラックでスピードを強化しており、3、4年後に見据えたマラソンへとつなげていくという。初出場となるニューイヤー駅伝だが、どの区間を走るにせよ、区間賞を狙った鈴木らしい攻めの走りを見せてくれるだろう。
SGHは、昨季は5名、今季は4名の新人選手を獲得し、急速にチーム力を上げて来ている。今回の12名のエントリーメンバーには鈴木の同期である阪口竜平(東海大)、關颯人(東海大)、平田幸四郎(帝京大)、また東海大優勝メンバーの湯澤瞬、さらに鈴木の大学の先輩である橋詰大慧ら、ここ2年間で入社した8名の選手に加え、佐藤が加わるなど非常に充実している。若い力を武器に、「関西の風雲児」となって、レースに大きな風を吹かせてくれそうだ。
「相澤を抜きたい」箱根駅伝のデッドヒート
伊藤達彦も非常に楽しみな選手である。
昨季は、東京国際大のエースとして箱根駅伝予選会では日本人トップ、全体の5位で走り、チームのトップ通過に貢献。全日本大学駅伝では2区区間賞、箱根駅伝では2区で相澤と歴史に残る競り合いを演じて2位になり、チームの総合5位に貢献した。学生長距離界のトップランナーに成長し、卒業後、Hondaではトラックで結果を出すべく練習を続けた。
日本選手権10000mで、27分25秒73の日本新で東京五輪の参加標準記録を突破したが、相澤に敗れて2位。「次は26分台を出して相澤を抜きたい」と戦闘モードは全開だ。今回、ニューイヤー駅伝で同じ区間になれば昨季の箱根を彷彿とさせる熱いレースが見られた可能性があっただけに、相澤の欠場はやはり残念でならない。
Hondaは、主将の設楽悠太(東洋大)が背中でチームを引っ張っている。注目は伊藤に加え、同期の青木涼真(法大)、土方英和(国学大)のルーキートリオだろう。小川智監督曰く「チーム史上最も仲が良い同期」だそうで、お互いに意識し、切磋琢磨して力を磨いているという。ニューイヤーでもこの3人に加え、12月の日体大記録会10000mで自己ベストを更新した田口雅也(東洋大)、松村優樹(順大)、原法利(大東文化大)らが調子を上げている。設楽の調子が戻ってくればHondaの初優勝が見えてきそうだ。