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ダル「マイナスに考えて何が変わるんですか」 ノムさん「甲斐に19番を」賛否両論にも自分を貫く野球人<2020名言> 

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photograph byGetty Images/Takuya Sugiyama

posted2020/12/27 11:05

ダル「マイナスに考えて何が変わるんですか」 ノムさん「甲斐に19番を」賛否両論にも自分を貫く野球人<2020名言><Number Web> photograph by Getty Images/Takuya Sugiyama

ダルビッシュ有、野村克也……2020年が終わろうとする今、野球人の言葉に耳を傾けたい

<名言1>
君に、19番をつけてほしい。
(野村克也/NumberWeb 2020年2月23日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/842575

◇解説◇
 2020年2月11日、日本プロ野球史上最高の捕手である野村克也氏が84年の生涯に幕を閉じた。監督としても偉大な功績を築き上げた「ノムさん」は、解説者として鋭い観察眼を持ち、キャッチャーに対する論評はひときわ厳しかった。その中で晩年に目をかけていたと言われるのが、ソフトバンクホークスの正捕手・甲斐拓也である。

 甲斐と野村が初対面を果たしたのは2017年7月の仙台遠征中のこと。開幕一軍入り、レギュラー獲得を果たしたブレーク直後のタイミングだった。そこで甲斐が口にしたひと言が、野村の心をつかんだ。

「ぼく、野村さんの本をたくさん読んでいます」

 甲斐の言葉はおべっかではなく、その後も真剣なまなざしで“野村の教え”を深く聞き入ったという。その学ぶ姿勢が実ったか、同年の日本シリーズでは広島カープの機動力を完璧に封じる“キャノン”を発動させ、育成選手出身で初となるシリーズMVPを獲得。一躍スターダムへの道を歩んだ。

 野村も甲斐も、アマ球界時代に華やかな実績を残したわけでなく、ドラフト会議での注目株だったわけではない。だからこそ野村はその努力を買い、南海ホークス時代に自らが着用した「19番」を甲斐につけてほしいと願ったのだろう。

キャッチャーにとって一番大切なものって?

 野村の訃報に接した際、甲斐はこのように語っていたという。

「僕がキャッチャーにとって一番大切なものは何ですか、と尋ねた時の言葉は今も大切にしています。捕手はピッチャーを支える存在。功は人に譲る。そういうポジションだから、と」

 ピッチャーを支える存在として――2020シーズンの甲斐は104試合に出場し、チームのパ・リーグ制覇に貢献。日本シリーズでは2本塁打を放ち、巨人相手に2年連続スイープでの日本一の立役者となった。同じく育成出身の千賀滉大と最優秀バッテリー賞を初受賞するなど、球界を代表する捕手に上り詰めたと言っていいだろう。

 野村克也の「19番」を継いだ1年目にして、最高の結果を残したのだ。

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