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三浦番長DeNAの悩みどころは“山崎康晃ショック” 筒香嘉智の穴を佐野恵太は埋めたか【記録で12球団総括】 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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photograph byHideki Sugiyama/JIJI PRESS

posted2020/12/24 11:04

三浦番長DeNAの悩みどころは“山崎康晃ショック” 筒香嘉智の穴を佐野恵太は埋めたか【記録で12球団総括】<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama/JIJI PRESS

初規定打席で首位打者の佐野恵太(左)。一方で苦しんだ山崎康晃…2人の2021年はどうなるか

<今季、DeNAの主要な救援投手>
三嶋一輝 48試3勝1敗 18SV 5HD  率2.45
山崎康晃 40試0勝3敗 6SV 8HD 率5.68
石田健大 50試1勝4敗 0SV 25HD  率2.53
パットン 57試3勝2敗 0SV 19HD  率4.92
エスコバー 56試1勝4敗 0SV 17HD  率2.33
平田真吾 43試1勝1敗 0SV 11HD  率2.84
国吉佑樹 42試3勝4敗 0SV 10HD  率3.13
砂田毅樹 17試0勝0敗 0SV 4HD 率2.65

 山崎の代わりにクローザーとなった三嶋は7月29日に初セーブ、9月中盤からは安定感のある投球を見せたが、その分だけセットアッパーの陣容が薄くなったのは否めない。

先発専門だった三浦監督がどう救援を見直すか

 エドウィン・エスコバーは2017年シーズン中に日本ハムから移籍したが、同郷のラミレス監督の信頼が厚く、3シーズン連続で50試合以上投げながらここ3年、防御率を3.57、2.51、2.33とアップさせている。

 74試合を投げた2019年は登板過多だと思われたが、この左腕が救援投手陣の中心であることは間違いない。ただし、MLB、マイナー通じて0セーブとクローザーの経験が全くないので、抑えは別に作る必要がある。

 山崎が復活するのか、新外国人投手や中継ぎ陣から抜擢するのかわからないが、これが急務だろう。

 三浦大輔新監督は平松政次(201勝)、秋山登(193勝)に次いでDeNA、横浜、大洋球団投手史上3番目の172勝を挙げている。自身は0セーブ、0ホールドとほぼ先発だけで25年間投げてきた。三浦監督としては、先発だけでなく救援投手陣も見直すことが求められる。

 先発では、ローテを固定して、100イニング投げる先発を3~4人は作りたいところだ。また救援陣は「勝利の方程式」を再構築していく必要がある。

ラミちゃん流から番長流、どう変化するか

 筆者は「クセが強い」ラミレス監督の5年間を存分に楽しませてもらった。野手陣の思い切った抜擢、意表を突いた「8番投手」打線、さらには初球から打っていく超積極打法など、ラミレス監督ならではの選手起用、采配は魅力的ではあった。

 しかしそれはアレックス・ラミレス監督ならではのものだろう。5年目の今年は「クセ疲れ」のような印象もあった。

 三浦大輔新監督は、前監督の方針を引き継ぐとは思えないが、であればハマの番長流の新たなベイスターズを作っていく必要がある。来年は、そのプレゼンテーションの年だと考えるべきだ。どんなカラーにチームを染めていくか、楽しみにしたい。

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