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三浦番長DeNAの悩みどころは“山崎康晃ショック” 筒香嘉智の穴を佐野恵太は埋めたか【記録で12球団総括】
posted2020/12/24 11:04
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Hideki Sugiyama/JIJI PRESS
5年目のラミレスDeNA、端的に言えば「政権末期のくたびれ感」という印象だった。昨年までのDeNAの持ち味が出ることが少なかった。
<2020年チーム成績>
56勝58敗6分 勝率.491(4位)
打率.266(1位)本塁打135本(1位タイ)495打点(3位)31盗塁(6位)
防御率3.76(3位)24セーブ(4位)104ホールド(1位)98被本塁打(6位)
ラミレス監督は5年で3回Aクラス。リーグ優勝はないが、昨年まではCS争いに常に絡んできた。端的に言えば、「負けるときは大負け」「勝つときは接戦」で、粘りに粘ってCSに進出する。
2017年などはリーグ優勝した広島から14.5差の3位ながら、CSファーストステージ、ファイナルステージを勝ち抜いて日本シリーズまで進出したのだ。今季のDeNAに見られなかったのは、そういう「粘り」だった。
<今年の月間勝敗>
6月 6勝4敗0分
7月 11勝13敗2分
8月 14勝11敗1分
9月 11勝14敗2分
10月 12勝12敗1分
11月 2勝4敗
過去4年間では大勝ちする月があって、その月の勝越しを以後、大事に守ってシーズン終盤に持ち込むのだが、今年は大勝ちした月がなかった。10月24日にラミレス監督の退任が発表されてからチームは4連勝。このままAクラスに食い込むかと思われたが、11月は失速した。
ただし打線そのものは相対的に、昨年よりも強化されている。
2020年
打率.266(1位)本塁打135本(1位タイ)
2019年
打率.246(5位)本塁打163本(3位)
しかし今年のDeNAは、安打が得点に結びついていない。DeNAの1安打当たりの得点は、0.46点でリーグ5位。安打を打ってもなかなか本塁に帰ってくることができなかったのだ。DeNAの「粘り」とは、攻撃面では少ないチャンスを得点に結びつけることだったが、その能力がかなり低下したのだ。
<昨年と今年のDeNAの個人得点5傑>
2019年
1 ソト82
2 筒香嘉智74
3 ロペス69
4 神里和毅62
5 宮崎敏郎54
2020年
1 梶谷隆幸88
2 ソト59
3 佐野恵太48
4 宮崎敏郎47
5 神里和毅38
今季の梶谷の活躍は特筆ものだったし、143試合制と120試合制の違いはあれど、梶谷に続く打者の得点が一気にやせ細ったことがこれでわかる。