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大谷翔平と今季不調だった実力派。「全盛期の8割」で投球練習中…“二刀流”の復活なるか?
text by
芝山幹郎Mikio Shibayama
photograph byGetty Images
posted2020/12/19 06:00
投打ともに不調に終わった今シーズン。怪我のリハビリや新型コロナの影響で調整不足だったと振り返る
私はむしろ、投手としてのあまりの乱調に当人がショックを受け、その穴を打撃で取り戻そうとして、余計な力が入りすぎてしまったのではないかと見る。ただ、95マイル前後の速球に対する動体視力は、もう少し鍛えたほうがよいかもしれない。
どんな大器にも不調や苦難は訪れる
大谷の図抜けた素質は、まだまだ開発し尽くされていない。有力な先発投手が喉から手が出るほど欲しいエンジェルスの窮状にも、依然として変化はない。来季、投手として成績を残せなかったら打者に専念か、という危惧もちらほらとささやかれるなか、現在の大谷は、全盛期の8割に近い力で投球練習を行っていると聞く。
二刀流遂行は難事中の難事だが、ここはなんとか投手としても踏ん張ってほしい。そういえば、ジャック・フラハティ(カーディナルス。防御率=4.91)やマディソン・バムガーナー(ダイヤモンドバックス。防御率=6.48)、パトリック・コービン(ナショナルズ。防御率=4.66)といった一線級の先発投手も、今季は結果を残せなかった。どんな大器にも不調や苦難は訪れる。大谷には、自身の才能を信じ、小細工に走ることなく、弱点を克服してもらいたいものだ。