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大谷翔平と今季不調だった実力派。「全盛期の8割」で投球練習中…“二刀流”の復活なるか?
posted2020/12/19 06:00
text by
芝山幹郎Mikio Shibayama
photograph by
Getty Images
12月第2週に、2020年のオールMLBチームが発表された。ご承知のとおり、ダルビッシュ有がファーストチームの先発投手5名のひとりにリストアップされ、前田健太の名も、セカンドチーム先発投手5名のなかに入った。
ダルビッシュはもちろんのこと、今季は前田も素晴らしい出来だった。セカンドチームといえども、ゲリット・コールやクレイトン・カーショーといった大投手に伍しての選出(残る2名は、パドレスのディネルソン・ラメットとブルージェイズの柳賢振)だけに、前田も誇らしい気持ではないだろうか。
若手や脇役はそう多く選ばれていない。ファーストチームではフェルナンド・タティース(パドレスの遊撃手)、セカンドチームではマイケル・コンフォルト(メッツの外野手)やマイク・ヤストレムスキー(ジャイアンツの外野手)が眼につく程度か。マイク・トラウト、ムーキー・ベッツ、フレディ・フリーマンといった主演級スターは、さすがに当然のファーストチーム選出だ。
逆にいうと、例年ならば候補に挙がりそうなのに、今季はさっぱりだった、という選手の名前も、何人か脳裡に浮かぶ。
快挙を成し遂げた男も……
筆頭はブルワーズの外野手、クリスチャン・イェリッチだろう。
イェリッチは2018年(3割2分6厘)と19年(3割2分9厘)に、ナ・リーグの首位打者を獲得した。同時に、長打率も2年連続でナ・リーグ1位。この連続ダブル1位は、「史上最高の二塁手」と呼ばれるロジャーズ・ホーンズビー(当時カーディナルス)が1920年から25年にかけて6年連続(そのうち、4割超えが3度。とんでもない記録だ)で達成して以来、久々の快挙だった。
そんなイェリッチが、20年はさっぱりだった。58試合に出場して、2割5厘、12本塁打、22打点、OPS=.786。いくら年間60試合の短縮シーズンだったとはいえ、眼を覆いたくなる数字だ。大きな故障に苦しんだわけでもないので、これはもう、リズムをつかみ損ねたとしかいいようがない。年齢も29歳になったばかりなので、21年はぜひとも復活してもらいたいものだ。