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シーズン通常開幕は早くも「実施困難」!? MLB機構側と選手会、対立のポイントとは…DHからワクチン接種まで
posted2020/12/19 17:00
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph by
Getty Images
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、公式戦が60試合に短縮された異例の2020年シーズンも、とりあえず無事に終了した。
その一方で、2021年のシーズンがどうなるのかは、現時点で定まっていない。
米国ではコロナ禍の第三波が広がり、これまで以上に感染が拡大した。12月中旬からは全国各地でワクチンの接種が開始されたものの、依然として収束する時期は見えてこない。
米国内では、すでに感染者数が1500万人、死者は30万人を突破。1日あたり20万人前後の新たな感染者が確認されるなど、危機的状況は変わっていない。
果たして、来年のシーズンはどのような形で実施されるのか。
今後は、機構側と選手会が話し合い決める予定だが、難題が山積みとなっていることは否定のしようがない。全国紙「USAトゥデー」によると、一部のオーナーが、開幕は5月以降、試合数も162試合の実施は困難、と見通していると伝えるなど、不安視する声は後を絶たない。
ワクチン接種を拒否する選手・関係者も予測される
健康・安全面に関しては、今季のガイドラインをベースに、ワクチンの接種を義務付けるか、否かがポイントになるものとみられている。
現時点では、副反応への懸念からワクチン接種を拒否する選手や関係者が出ることが予想されており、今季のデービッド・プライス(ドジャース)、ライアン・ジマーマン(ナショナルズ)らのようにプレーを辞退する選手が出る可能性も捨てきれない。
グラウンドレベルでは、開幕日、試合日程が定まった場合、今季の特例として定められた「両リーグでのDH」「ダブルヘッダー7イニング制」「延長戦でのタイブレーク」「ロースター28人枠への拡大」「プレーオフ枠出場16チーム」などの暫定ルールはどうするのか。
機構側は、来季に関してナ・リーグではDHは実施しないとの見解を通達したものの、選手会側は両リーグでの導入を求めており、双方の見解はかみ合っていない。