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【直撃インタビュー】新監督就任、楽天・石井一久GMに聞く「監督に自分を指名した理由は?」
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byTohoku Rakuten Golden Eagles/JIJI PRESS
posted2020/12/14 11:01
11月12日、監督就任が決まり会見に臨んだ石井一久ゼネラルマネジャー
ニューノーマルなことをすると、必ず批判が起きる
――1年で二軍監督に戻るというのが、非常に異例のケースに映りましたが、そこは本人の希望を尊重した結果だ、と。
「二軍にいったからもう一軍の監督はできないかと言えば、そうではないと思うので。僕は野球人には少なくとも55歳くらいまでには無限の可能性があると思っています。
そういう意味では彼はまだ40代前半(43歳)ですし、そのためには野球観を学べる環境は必要だと思う。そういう環境を作れるのは僕しかいないと思う。
野球界では、ノーマルとされる考え方が好きな人が多いですからね。ニューノーマルなことをすると、必ず批判が起きる。昔は、肩を冷やしてしまうからプールに入るなという時代があったが今はアイシングしろと。常識を非常識と疑うことは非常に大事なことだと思ってます」
――その中で石井GM自身が、監督を引き受けた理由は何だったのですか? あまりに監督が早く変わり過ぎるので、引き受け手がいなかったなどという声もありましたが……。
「やりたい人はいっぱいいるんじゃないですか(笑)」
2年間チームを見てきたものをそのままチームに移行できる
――監督をやるという決断の背景は?
「僕が監督をやることの良さは外部から新しく入る人とは違い、2年間チームを見てきたものをそのままチームに移行できるということだと思うんですね。そこを球団と僕が望みました。
ただ、今までの僕は、ある意味、チームを外から見る仕事をしていたので、ベンチの中の細かいことは見えない部分もあったとは思います。外の大きい枠、グラウンドの外から見ていたので。だからこういうときになると守備隊形がどうなのかなとか、走塁がこうだなとか、バッターで言えば、大事なときにサインを出しにくい選手だなとか、そういう大きな枠で見られるところにいた。
監督になったら、この選手はこういうシチュエーションで使ったら力を発揮する選手だなとか、そういう見方は活かせると思います」