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【直撃インタビュー】新監督就任、楽天・石井一久GMに聞く「監督に自分を指名した理由は?」
posted2020/12/14 11:01
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Tohoku Rakuten Golden Eagles/JIJI PRESS
今年のパ・リーグの台風の目となった楽天イーグルス。昨オフに平石洋介監督から交代した三木肇監督の下で、前半戦は強力打線を軸にソフトバンク、ロッテと首位争いを演じたものの、夏場以降はリリーフ陣が崩壊して成績も急降下。結果的には4位の成績に甘んじた。その結果、シーズン終了後には2年連続で就任1年目の監督が交代するという異例の人事へと発展。三木監督が二軍監督に横滑りし、チーム編成の責任者だった石井一久GMが監督兼任として来季の指揮を執ることになった。これまではチームの設計図を書いてきた石井GMが監督となって、その設計図をもとにどうチームを組み立てていくのか? 就任会見で「骨太の常勝軍団作り」を宣言した石井GM兼監督の直撃インタビューを3回にわたって掲載する。(全3回の1回目/#2、#3へ)
監督の人事というのは、成績では決めていない
――世間をアッと言わせた三木前監督からの交代劇。“監督石井一久”を指名した石井GMの決断の理由を教えてください。
「基本的に監督の人事というのは、成績では決めていないです。もちろんそのシーズンの戦力を分析して、戦力的にはこれくらいの順位にいける、それくらいの戦力は整っているという判断の中での話ではあります。
でも、順位を上げた、下げたということはあまり基準にはならない。僕だけの意見で監督を辞めさせるというのはないですけど、ただ1つ、4位だからクビになった、3位だから交代だというのではない」
――ではどういう基準で三木前監督の交代を決めたのですか?
「シーズンが終わって三木とは『どうだった?』と話をしました。彼は『非常に難しいところがあった。やっぱり一軍の監督としてはピッチャーの交代だったり、いろんな場面での選手起用で難しいところがありました』という話をしていた。僕は彼は野球観がすごくしっかりしていて、厳しさも備えているいい指導者だと思っています。
ただ、二軍で指導していたときは、二軍の選手は大体スケジュールが決まっている。先発は何回投げて、2番手は誰がいってとか、ある程度決まっているんですね。それが一軍では試合の流れの中での瞬発力が大事になってくる。そこが難しかったのかな、と。僕から見ていても、そこら辺が今シーズン、うまくできなかったというところはあった。そうだったらまた学べばいいということなんです」