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【直撃インタビュー】新監督就任、楽天・石井一久GMに聞く「監督に自分を指名した理由は?」
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byTohoku Rakuten Golden Eagles/JIJI PRESS
posted2020/12/14 11:01
11月12日、監督就任が決まり会見に臨んだ石井一久ゼネラルマネジャー
先発が6回をクオリティースタートできていない
――第三者的な視点。
「いい意味で冷静に、ということですね。ドキドキ、ワクワクすることなく、冷静にチームの現状は把握していたかなと思います。
逆に不足しているところで言えばベンチの中の選手の性格や、失敗したときに、この選手はどうやって次のアプローチをしていくのかなとか、成功したときにどうモチベーションが上がっていくのかなとか。カウントや状況など、どういう環境なら成功しやすい選手なのかという細かい部分は見えにくいところにいたのは確かです」
――4位という結果はどう評価していますか?
「もう少し上には行けたはずだと思います」
――チームのどこが不足していた、と?
「やっぱり投手力を中心としたディフェンス面で、特に則本(昂大投手)もそうですし、岸(孝之投手)もそうですし、先発で回るピッチャーが6回をクオリティースタートできていない。そこでリリーフを前倒しして使っていくしかなかった、ということですね。
そうなるとある程度、シーズンを通じて蓄積疲労があるので、どうしても後半にはリリーフ陣がバテて、逆転負けがすごくあった(逆転負け32試合はリーグ最多)。もう少し先発がきっちり役割を果たせていればな、というのがあるかなと思います」
松井裕樹を先発にしたのは失敗では?
――クローザーの松井裕樹投手を先発にしたのは失敗ではなかったですか?
「そのことについては昨年のオフに、松井くんとは結構話をしました。僕的には選手の生き様というか、選手が納得した形でそのポジションに向かっていって欲しい。もちろんチームが勝つことは大事なんですが、選手も個人事業主という部分もある。
巨人の原さん(原辰徳監督)とかはよく『個人軍でなく巨人軍』と自己犠牲の必要性を説きますが、それがチームスポーツの大前提だと僕も思います。ただ、僕は松井くんの意志は尊重してあげたいというのもあった。だから将来的な彼のプランを聞いた上で、だったら(先発に)トライしてもいいんじゃないかという話をした結果なんですね」