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強敵ロシア勢も上回り、坂本花織が今季女子最高点! 「トータルパッケージ」の時代がやってきた? 
 

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野口美惠

野口美惠Yoshie Noguchi

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photograph byYukihito Taguchi

posted2020/12/10 11:25

強敵ロシア勢も上回り、坂本花織が今季女子最高点! 「トータルパッケージ」の時代がやってきた? <Number Web> photograph by Yukihito Taguchi

国内ジャッジによる参考記録だが、グランプリ4戦を通じて坂本が今季女子の世界最高得点でNHK杯を制した

樋口新葉はショートとフリーで3A

 一方、2位になった樋口は、得点こそ200点ぎりぎりだったが、ショートとフリーの両方でトリプルアクセルに挑んだという点で、世界と戦うための突破口を見出した。

 樋口のトリプルアクセル初挑戦は、今年2月の四大陸選手権(ソウル)。6分間練習では2本着氷しながらも、その嬉しさと興奮で疲労が出て、本番では転倒した。2度目の挑戦は、今年9月に試合形式で行われたアイスショー「ドリーム・オン・アイス」で、やはり6分間練習で成功させたが、本番は転倒した。そして迎えた10月のジャパンオープンでは、オーバーターンながら耐え、初めて片足での着氷に成功した。

「今回の試合では片足で降りることを目標にしていたので、それを達成出来ました。まわり過ぎたり、開くタイミングが遅かったりするとオーバーターンになってしまうので、浮き過ぎずに、しっかり止めて降りられるよう、練習したいです」

ショートに入れる練習を始めたのはNHK杯の2週間前

 その後の練習でさらに成功率は上がり、11月の東日本選手権を迎える。朝の公式練習も6分間練習も成功させたが、本番は勢いが余ってステップアウトとなった。

「ジャパンオープンの時よりも練習での成功率は上がっています。試合になると、緊張やちょっとした身体の動きの差でステップアウトやオーバーターンになるのですが、1回試合で降りれば、自信がついてくると思います」

 試合ではまだ完ぺきな成功がなかった樋口。するとNHK杯に向けて選んだ作戦は「ショートとフリーの両方に入れる」というものだった。つまり攻撃は最大の防御ということだ。

「ショートに入れる練習を始めたのはNHK杯の2週間前くらいから。アクセルが安定して来たのと、NHK杯は何も(選考などが)かかっていない状態で挑戦できると思いました。何より、ショートとフリーの両方に入れることで、良い練習になるのではないかと思いました」

【次ページ】 本番リンクの雰囲気で “練習”できたと考える

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