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【韓国代表】コロナ陽性者続出で悲痛ムードも なぜ日本と同じく欧州遠征を2戦できたのか
text by
吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki
photograph byGetty Images
posted2020/11/26 17:00
日本と同じくメキシコには敗戦したものの、ソン・フンミンが招集されるなど韓国代表はコロナ禍における代表強化への一歩を歩みだした
再検査したらファン・ヒチャンらが……
カタール戦後の再検査で選手(ファン・ヒチャン)とスタッフ1名が陽性判定。今回の遠征で選手(7名)とスタッフ(3名)、合計10名が感染したことになった。ファン・ヒチャンはそのままドイツに向かった。
いっぽう現地時間25日の午前中まで、オーストリアの地に遠征メンバーとスタッフのうち15人が留まってホテルでの「隔離」を行った。
15人の内訳は、陽性判定の出た選手4人(国内組3人と欧州組1人)とスタッフ3人、濃厚接触者8人(スタッフ)。濃厚接触者は、現地に留まり感染した7人のケアを行っていた。
選手のうち、ロシアでプレーするファン・インボムについては複雑なやりとりがあった。KFA側は「いったん韓国に帰国し、再検査ののちにロシア行き」を主張したが、クラブ側は「即時のロシア帰国」を要請しており、直前まで決定が先送りされた。
防疫用の衣服まで機内に積んだという
残留組の帰国には、大韓サッカー協会(KFA)が費用負担したチャーター機が使用される。連日行われている政府の感染関連の定例会見でもこの話題が採り上げられ、「特別体制で帰国できるよう、慎重に話し合っている」と発表された。24日に韓国を発った機内には、特別医療体制に加え、感染者が身につける防疫用の衣服などが積まれているという。
チャーター機は26日、帰国の途に就くという。まさに「家に帰るまでが欧州遠征」。仮にKリーグが閉幕していなかったらより大きな事態になっていただろう。韓国は06年W杯以降、国内クラブが所属選手の代表招集に敏感になっている。07年には「国内の協力体制がない」としてオランダ人のピム・ファーベック監督が“ブチ切れ辞任”したこともある。
多難にも、「YTN」はあくまでポジティブな姿勢を崩さない。
「欧州・南米では盛んに試合を行おうという雰囲気にあります。各国リーグも進行していますし。南米ではW杯予選も戦っています。韓国は3月、4月、9月のAマッチデー、すべてを休みました。10月にも国際試合は行わず、国内組のA代表vs五輪代表の試合を行いました」
さらに、日本の例を出して説明を続けた。