相手側の雰囲気は重苦しくなかった？

　時間的には“ギリギリ”だった。ただし、相手側の雰囲気は決して重苦しいものではなかったという。国内ニュースメディア「YTN」がこう伝えた。

「どちらかというと、海外の代表チーム関係者のコロナに対する感覚はカジュアルという印象だといいます。“感染者が出た？　だったら家に戻って休んだらいいよ”という感じで。メキシコも、カタールも『せっかく集まったんだから試合をやろうよ』という雰囲気だと伝えられています」

カタール戦では元Jリーグ勢が大活躍

　メキシコ戦の2日後、17日後にはカタールとの試合が控えていた。これに先立ち、韓国メディアではまたしても「1人でも追加で感染者が出れば、試合は中止」といったニュースが報じられた。

　しかし「YTN」は、開催の可能性についてこうも報じていた。

「FIFAのコロナによる特別規定では、国際Aマッチは『GK1人を含む13人であれば試合は可能』となっています。韓国側は19人いますから、人数的には開催は問題がない。もちろん、オーストリア協会や当局の判断も必要ですが…重要なのはこの試合の主催者のカタール側の意向です。開催地はオーストリアで、主催者はカタール。カタールが『やろう』と言えば、試合は行われる見通しです」

　かくして予定通り、試合は行われた。韓国はマリア・エンツァースドルフの地でアジアチャンピオンに2-1の勝利を挙げた。南野拓実のザルツブルク時代のチームメイト、ファン・ヒチャン（ライプツィヒ）が開始14秒にして先制。その後追いつかれたが、36分の元ガンバ大阪ファン・ウィジョ（ボルドー）が決勝ゴールを決めた。明確な「来年のW杯アジア最終予選を見越した準備」で結果を残したのだ。

　メキシコ戦に続き、感染者発生の最も大きな「穴」はロシアW杯のレギュラー、チョ・ヒョヌが抜けたGKのポジションにも見えたが、ここは元北海道コンサドーレ札幌のク・ユンソン（大邸）が埋めた。後半には第3GKを出場させるテストも実施した。

　ただし、大変な事態は試合後にも続いた。

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