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ナダル&ジョコ撃破! メドベージェフvsティームの激闘2時間42分は今度こそ“世代交代”の一歩か
posted2020/11/25 11:00
text by
長谷部良太Ryota Hasebe
photograph by
Getty Images
最後は、身長198cmの上背を生かした角度のあるファーストサーブで、ティームのリターンミスを誘った。
グランドスラムにも引けを取らない大舞台のATPファイナルズで、価値ある初タイトル。メドベージェフは歓喜の表情でコート上に仰向けになり……なんてことはなく、1セット目を取った後のように淡々とした様子で歩き出すと、ティームと握手し、肩をたたいて互いに声をかけ合った。
コロナ禍の今、ウイルスの感染予防策でラケットを重ねるだけの挨拶も多いが、ハイレベルで濃密な2時間42分の後には、やはりこうした「ビフォーコロナ」の様式がふさわしい。
メドベージェフは1次リーグの「グループ・東京1970」では、初戦で全米準優勝のズベレフにストレート勝ち。その後はピリッとしなかった世界1位のジョコビッチを6-3、6-3で破り、「小さな巨人」シュワルツマンにも完勝。初出場した昨年は1次リーグでナダル、ズベレフ、チチパスに食らいつきながらも3戦全敗で姿を消しただけに、この1年の成長ぶりを存分に見せつける結果となった。
ティームとの出会いのエピソード
準決勝では世界2位のナダルに挑み、4度目の対戦で初白星を手にした。第1セットを落とし、4-5で迎えた第2セット第10ゲーム。相手のサービングフォーザマッチという背水からラブゲームでブレークバックしてから攻勢に転じ、最終セットはブレークポイントさえ握らせなかった。
その後のオンライン記者会見では、決勝でぶつかるティームとの出会いのエピソードを明かした。