「あぁ今の巨人ってめちゃくちゃ弱いんだな」はもったいない

　しかし、だ。第2戦終了後にTwitter上で「巨人のマスクが気になるみなさん」と話題になっていたが、巨人ファンは意外に思った人も多いのではないだろうか。えっ今さら？　と。ファンからデザイン公募して、原監督がグランプリに選んだオレンジとブラックを使ったチームカラーマスクが、球団公式のオンラインストアですでに販売されている。もちろんペナントレースで巨人の試合を定期的に見ていたら、ベンチの様子をとらえた映像でもお馴染みのアイテムだ。

　でも、それが世間にはまったく浸透していなかった。つまり、20年近く前の地上波テレビで毎晩のようにナイター中継されていた時代とは違い、それほど巨人の現状は世の中に知られていないということだ。特に今、首都圏というか東京では、プロ野球はかなりマニアックな趣味になっている。週末に地上波ゴールデンタイムの日本シリーズ中継で、今年初めて巨人の試合をプレイボールから見た人も多いだろう。

　このシリーズは、令和の巨人軍を世の中にプレゼンするまたとないチャンスでもある。それが2戦を終えて打率.875と打ちまくる栗原陵矢や、7回0封の千賀滉大といったソフトバンクの凄さばかりが目立つ。要は多くのプロ野球ライトユーザーに、「あぁ今の巨人ってめちゃくちゃ弱いんだな」と思われているってことだ。それじゃあせっかく苦労してリーグ連覇を達成したのにもったいないよ。

　ソフトバンクは日本シリーズ10連勝。巨人は球団ワーストの13失点で連敗……って、正直、現時点でこの2試合の試合内容どうこうを語る気すらしない。誰が悪いとか選手起用がどうとかそれ以前の問題だから。かつて原監督はKOされた先発投手に対して、「論ずるに値しない」と厳しい檄を飛ばしたが、同じだ。多くの巨人ファンは同じ心境だよ。

　この2試合の原巨人の戦いぶりは、論ずるに値しない。それくらい屈辱的で、プロとして恥ずかしい内容だった。悔しいを通り越して、寂しかった。

　お前さんたち、このまま終わっていいのか？　福岡での逆襲を待つ。

　See you baseball freak……

（写真＝中溝康隆）