「オカダはもう十分に業界のトップになったんだな」

　そんなオカダに対して天龍は「本当にいい介錯してくれたと思いますよ。最後の試合で、いろんな意味で俺の怒りをぶつけていく相手として最高だったよ。（引退試合は）同世代のベテランとやるという選択肢もあったけど、やはりリングにあがる限りは相手に怒りをぶつけなきゃいけない。あの時の彼の発言は、辞める前の俺にぴったり符合したし、悔いのない相手だと、今でも思ってますよ」と、あらためてオカダが最後にふさわしい相手だったと振り返った。

　そして大会終了後、バックステージでは「（オカダは）レスラー同士にしかわからない、威圧感や貫禄が出てきた。今日の彼を見て、もう十分に業界のトップになったんだなと感じた。これからも新日本、そしてプロレス界のエースとして、責任を持って頑張ってほしいね」とエールを送った。

　今大会のタイトルは『革命伝承』。“ミスター・プロレス”と呼ばれた天龍の思いは、現代の“ミスター・プロレス”であるオカダ・カズチカへと託されたのだ。

(C)Tadashi Shirasawa